お散歩日記 4日目
お散歩開始4日目の今日は、どんよりとしたお天気。途中で雨が降り始めたため早めの帰宅となった。お散歩の距離と時間の短さに少しの物足りなさを感じたから、徐々に自分の理想のお散歩像が見えてきているのかもしれない。
今日の頭の中
見たままを捉えること
どんよりとした雲に覆われている。川の水の量はいつもに比べて多い。川に4羽いた鴨はそのうち1羽が体が痒そうにしていて可愛らしい。
中学生の頃に写生大会があったことを思い出した。その日は1日中絵を描く。生徒それぞれが自分のお気に入りの景色を見つけて描写していく。毎年開催されるこの日がとても楽しみだった。イラストを描いたり頭に思い浮かべた物を描いたりすることはあまり好きではなかったけれど、ぱっと目に入った景色を捉えて描くのは好きだった。見たままを捉えて描くことは、頭の中で撮影した写真をコピーしていくような感覚がある。一方で、イラストを描くときには、頭の中に浮かび上がる捉えがたい雲をつかむような感覚になる。単に、イラストを描くときの私の頭の中の解像度が低いのかもしれないが、苦手だった。イラストやデザインも、写真をコピーするかのように描けたら、きっと楽しいのだろうと思う。頭の中をそのまま描き表せるようになったら、きっと楽しいのだろう。
文章を書くときも、そうかもしれない。自分が体感したことは書き表せるけれど、空想の出来事を書き連ねることは私にとって難しい。単純に、「見たままを捉えること」が向いているのかもしれない。向いていることをやればいいのかもしれない。頭の片隅に入れておきたい。
人の笑顔、朝ご飯のにおい
すれ違ったおばあさんに挨拶をした。嬉しそうな笑顔とやわらかい「おはようございます」が返ってきた。私も自然と笑顔になった。これまでで一番、挨拶っていいなとしみじみ感じた。あの瞬間は、今思い出してもすごく微笑ましい瞬間だった。笑顔でいることや挨拶をすることの大切さを、なぜかものすごく実感する瞬間だった。
ある家から、ベーコンを焼くにおいが漂ってきた。みんなの朝であることを感じた。朝、家の中にいると、自分の家の家事や一日の予定ばかり考えてしまう。でも、朝、家の外に出ると、みんなの朝を感じられる。私にはこれまで自分の朝しか見えていなかった。みんなの朝について、感じたり考えたりする必要が果たしてあるのか、という疑問は浮かび上がるけれど、私はなぜか安心した。他者の家の朝を感じることで、落ち着く気がした。
平和な日常が感じられると安心するのかもしれない。人の笑顔も、挨拶も、家から漂う朝のにおいも、きっと平和な日常。すごくあたりまえだけれどあたたかい気付きになった気がする。
短いお散歩だったけれど、歩いてよかった。明日はもっと長く、もっと遠くまで、お散歩したいな。