(大人の)熱海の暮らし方 〜熱海で「今」を感じる場所
地名モニュメント
地名モニュメントというのだろうか。大きな駅前や、観光スポットなどで最近よく見かける文字のオブジェ。
さあ、ここで写真をお撮りなさい、という圧力に負けて文字の隙間から顔を出しておどけた写真を撮ったりする、そんなモニュメント。
熱海にもこっそりあった!あったのだ!知らなかった。
モニュメントの場所は駅前でも、海辺でもなく、後楽園ホテルと温泉施設FUUAの入り口。おっと、ってことは公共の設備じゃないのだね、君は。
駅からは近くないので、これだけのために行くのは正直おすすめしないけれど、せっかくここまで行ったなら、FUUAに行ってみようか。
FUUAは、小さな子供は入れない落ち着いた温泉施設なので、うーん、どこに行ったらいいかわからない、という時にはだらーっと過ごすのにおすすめの場所。一人で行っても大丈夫。
露天の立ち湯につかりながら、空が夕焼けで染まっていくのを眺めるっていう、至福としかいいようのない時間が過ごせる。
行列必至の熱海プリンが行列無しで食べられちゃうのもちょっとラッキーだったり。
スイーツ屋さんあれこれ
まったく暑いのによく並ぶよねえ、と甘いもののお店におとなしく並んでる人たちを見るたびに思うけど、行列がない瞬間を見つけると、すかさず買ってみたりする、それが地元民。
プリンも、サンドイッチも、モンブランも美味しい、確かに。
新しくできた高級パフェや抹茶スイーツやジェラートのお店もどこもすでに流行っているので、きっと美味しいのだ。
まあお値段もいいので、美味しくないと困るのだけど。
しかし、わたしは敢えて老舗のスイーツをお勧めしたい。
特に住吉屋の「とろけるチーズケーキ」。
ふわっとはかなく溶けていく触感と、優しい抑え目の甘さ。小判型の小さ目サイズで食べやすいのもいい。さらに、駅ビルのラスカで買えるのも嬉しいポイント。
お土産におすすめ。
えっ、お土産に要冷蔵は困る?そんな場合は帰りの電車の中でパクッと食べてしまえばいいのだ、要冷蔵でもまったく問題ない。
熱海といえば、今も昔もここ!貫一お宮の像
熱海屈指の観光スポットといえば、「お宮の松」とその隣の「貫一お宮の像」。
「お宮の松」というバス停もあるので、迷わずにたどり着ける場所だ。
(ところで、バスの車内アナウンスの『次は〜、お宮の松』っていうテープの声、なぜか震えているので是非バスに乗って確認して欲しい。)
そして貫一お宮の像。
尾崎紅葉(もみじ、じゃないよ)の代表作、金色夜叉の中の1シーン。
この作品が、熱海を全国的に知らしめることになったということで、ここに像がつくられ、毎年尾崎紅葉も行われている。
詳しい説明は、↓こちらで。
おそらく金色夜叉を知らない人がほとんどなんだろうけれど、同じポーズをとって写真を撮る人は多い。
ちなみに、ざっくりとこの場面を説明すると、「婚約者の宮が、お金持ちになびいたため貫一と別れることになり、熱海でその裏切りを問いただす貫一が、許しを乞う宮を足蹴にする」という超修羅場。
わたしがこの像を『今時』の場所として取り上げたのは、決して写真映えスポットとしてではなくて。
注目して欲しいのは、像の足元のプレートの文字。
「この像は…中略…決して暴力を肯定したり助長するものではありません。」
何、このエクスキューズ。
暴力がよろしくないのは当たり前だと思うのだけど、120年以上前の小説をモチーフにした像にまでこういう一言を入れなきゃダメなんだろうか。ちなみにプレートが付けられたのは、像が作られた1985年からずっと後のこと(2016年)。
捉え方は人それぞれだろうけれど、世知辛いね、ということで、今時スポット認定。
今年の暑すぎる夏。海水浴は気持ちいいというよりも、むしろ修行なんじゃないかと思えだけれど、それでも海岸は人でいっぱい!
砂浜のテントとラッシュガードの着用率の高さも、今を感じるものだった。
そして砂浜の後ろ側には、新しいホテルもバンバン建設中。きわどい斜面の工事現場は熱海ならでは。
日々変わっていく熱海の景色こそ“今”そのものだったりもする。