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②貯金していれば資産運用は不要?

株式・投資信託・不動産・FX・・・資産運用と聞くとそれだけで難しそう、どこから手を付けるのか入り口すら分からない、貯金していればいいっしょ!そんな意識を持つ方が多くいるかと思います。プロではないこその素人目線でその入り口レベルの知識を共有します。第2回目は「貯金と運用の違い」です。

 #2 貯金と運用の違い~金融商品を理解するための着眼点~

貯金と運用は何が違うのか?

貯金と運用の違いを含め、すべての金融商品の性格の違いは、「安全性」「流動性」「収益性」に集約されます。

安全性:自分が預けた金額より減ることがないか?

流動性:現金が必要な時にすぐに引き出せるか?

収益性:自分が預けた金額よりどの程度多く返ってくるか?

そして大事なことは、この3つ全てを満たす万能な資産運用方法は存在しないため、自分がどの要素をどの程度重視すべきかを決定する必要があるということです。

安全性とは?

自分が預けた金額より減ることがない、すなわち「安全性が高い」方法としては、貯金や国債等が挙げられます。貯金であれば、自分が預けた金額より減ることがないのは簡単にイメージが出来ます。また国債は、発行元が国であるため、国が債務不履行にならない限り必ず返ってくるため、基本的には自分が預けた金額より減ることがないと考えることが出来ます。(貯金はインフレに弱いとの見方がありますが、少し難解なため、また別の回で記載します。)

定期預金の金利は約0.01%であり、100万円預けたとしても年間で100円の利益しか出ず、預けていてもほとんど増えることはない、すなわち収益性が低いことが分かります。国債も同様に金利は約0.05%であり、100万円預けたとしても年間で500円の利益しか出ません。それであれば、年間で1時間多く働いた方が多くのお金が手に入ります。

流動性とは?

現金が必要な時にすぐに引き出せる、すなわち「流動性が高い」方法としては、貯金や株式が挙げられます。貯金であれば、ATMでいつでも好きな時に引き出せることは簡単にイメージが出来ます。株式も同様に、株式を売買する証券取引所が開いている時間であればいつでも売却して換金することができます。ただし株式の場合は、自分が引き出したい時(=売却したい時)の株価が購入時よりも低く、「引き出すためには損をする」可能性があります。また株式の中でも、自分が売却時に購入したい人が同時に存在するかしないかで流動性の差があります。各株式の出来高(売買される株数)を確認すれば流動性は確認出来ますが、基本的には誰もが知っている大手企業の株式であれば、それほど考慮する必要はありません。

収益性とは?

自分が預けた金額よりどの程度多く返ってくるか、すなわち収益性が、資産運用をする最大の理由となります。投資は、自分が預けた金額よりも多くなる可能性もあれば少なくなる可能性もある、すなわち不確実性=リスクが存在します。ただし、一般にリスクを取るとその分リターン(自分の預けた金額が増える割合)も大きくなります。

株式を例に取ります。例えばある会社の社長が「いい製品を思いついた!でもその製品を作るにはお金が必要だ。株式で資金調達しよう!」と思い、株を発行し皆さんが購入することで資金を調達します。いい製品がたくさん売れ利益が出た場合に、社長は「利益の一部を株主に配当金として還元しよう!」と思うことで、皆さんには配当金が返って来ます。この製品が売れるか売れないか分からない「リスク」が存在しながら投資をすることで、うまくいった場合には配当金をもらえる「リターン」を得られます。

一般に収益性の高い株式ですが、貯金のように預けた金額が減ることがなく好きな時にいつでもすぐに引き出せる特徴では劣るため、収益性では勝り、安全性流動性では劣ることとなります。

資産運用に関する日米比較

最後に、収益性・安全性・流動性の3点を分かりやすく理解できる例として、アメリカと日本の比較を説明します。

日本人は貯金好きとよく言われますが、まさにその通りで日本人は金融資産の半分以上(53.3%)を預金・現金の形で保有してます。一方でアメリカ人は半分近くを株式の形で保有し、債券を含めると50%を超えます。

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家計金融資産の1995年から2005年への伸びで日米比較をすると、アメリカは3.11倍 日本は1.15倍と大きく差が出ています(出典:家計金融資産の現状分析 - 金融庁)。資産を収益性の低い資産で持つか、収益性の高い資産で持つかの差を表す一例としてよく使われている説明です。

結論

資産運用で貯金をするか投資をするかの結論としては、「安全性」「流動性」「収益性」の特徴をしっかりと理解し、

・将来も見越し日常生活で必要となる資金は現預金で持つ

・中長期での使用予定分は国債等リスクの低い形で確実に貯め・増やす

・余裕がある資金分をリスクを取り積極的に増やす

という考え方が重要となります。


次回は、安全性/流動性/収益性の着眼点を踏まえ、世の中にはどのような金融商品があるのか、概要に触れていきます。

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