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04_2M. 第四の扉 「最強のメンターを作れる」 能力1


では、「自分オリジナル 最強のメンター」を実際にどう作るのか。能力の領域から、大局観、長期的視点、先見性・洞察力など5つ選びました。最初は、大局観から始めます。


あらゆる思考の土台となる大局観は、多面的思考とも呼ばれます。物事を多角的に捉えることで、より広い視野を持つことができます。仕事やプライベートを含めた中長期の計画を立てる際や、利害関係者が複雑に絡み合うプロジェクトを計画する際に、私はこちらに戻ってきて、達人たちの視点から学びます。

そんな「大局観」における達人は、野球のキャッチャー、心理カウンセラー、経営者、将棋の棋士、飛行機製造の技術者、科学者、剣豪など。きっと皆さんの大局観を深める手助けになってくれるはずです。

大局観

実践できそうな実務的示唆に富んだアドバイス

古田敦也 捕手
「敵との駆け引きに没頭していると、味方がみえないことがある。例えばダブルプレーを狙って注文どおり内野ゴロに打ち取ったはずが、打球の方向を追うとそこには内野手がいなかった。キャッチャーは、常にグランド全体を見渡し、チーム全員の動きに気を配りながらプレーする必要がある。」

臨床心理学者の河合隼雄 元文化庁長官
「心理療法の現場で、患者はアルコール依存症と告げられたカウンセラーは、それが核心だと決めつけてしまい、視野が限定的になる。しかし、一流のカウンセラーは全てに平等の注意を払いながら、『ぼーっと聴く』。大事なのは、何か一つの方向に収束していくような集中の仕方ではなく、方向性を全て捨てた集中力。フロイトいわく、『平等に漂える注意力』。

オリックス 宮内義彦 会長
「花の写真を撮る場合、花そのものにピントを合わせ、花を際立たせるように撮る。競争に打ち勝つには、花そのもの、つまりコアビジネス・得意分野に特化するのがいい。しかし、経営者は日の当たり具合が変わったら、今は目立たない後ろの花が綺麗に輝くかもしれないとか、新しいカメラの性能なら向こうの花のほうが面白く写るかもかもしれないなど、めまぐるしく変わる天候や、日進月歩で進化するカメラの性能なども考慮に入れて、周囲の風景にも注意を払う必要がある。だから私は、背景に関する情報を、その道の専門家からできるだけ多く集めるようにしている。」

羽生義治 棋士
「若手は、簡単な一手を指すにも数百もの膨大な手を読んで指すが、ベテランは勘でパッと見当をつけて指す。パッパッと指す手には邪念がないから、基本的に悪くない。全体を判断する目、大局観、本質を見抜く力、ばらばらな知識のピースを連結させる知恵といってもいい。逆にいうと、余計な思考を省き、近道を発見するようなもの。その思考の基盤になるのが、勘、つまり直感力や感性。直感の7割は正しい。

ホンダジェットにあって、三菱重工 MRJに欠けていたものとは?

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■なにをするコミュニティか これまでにない視点で、包括的にビジネススキルを磨き、「この人と一緒に仕事…

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