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01_1M. 第一の扉「体験者の声 Before/ After」
「第一の扉」に入る前に、体験前と体験後の実際の声を織り交ぜて、7つのメッセージにまとめました。また、メッセージの躍動感が感じられるよう、「小説風バージョン」も用意しました。ぜひお楽しみください。
「自分を知ること」 に対して、皆さんが抱えている問題とその原因を思い起こしてから、読み始めて下さい。
7つのメッセージ 「自分自身を体系化できる 第一の扉」
1. 与えられた目標をただ達成する、回し車の中で走り続けるネズミのままでいい?
会社や上司からの要望に答え、その目標を達成してきたあなた。与えられたものをただ達成する。今後もそういう受け身的な生き方でいいの? もっと能動的に、かつ主体的に自分のキャリアを磨く方法はないか? 自分らしさを活かして、生き生きとする方法はないか?
2. 殆どの自己診断はその場限り
オンライン診断や企業研修で得られる「◯◯タイプ」といった自己診断。その使い方は、関係者と自分の立ち位置を確認し、ワイワイ・ガヤガヤするだけ。しばらくすると、その存在自体も忘れてしまう、そういう一時的なもの。短期的な結果が求められるので、どうしても表面的な領域に特化せざるをえない。仕方ないとはいえ、もっと本質的な特徴を知りたくない?
3. 活用できない、応用できない
自分の手でまとめていないので、結果だけポンと渡されても、どう活用していいか分からない。自己理解が浅いと、適切な行動に結びつけるのが困難。時間をかけて深掘りするアプローチは少なく、結果として応用できない。応用が効くタイプが欲しくない?
安心して下さい。未来は変えられます。
4. 原因は経験不足かも
経験が浅いと、やりたいことを見つけるのは難しい。失敗や不満を経験することで初めて気づく自己理解もある。さらに、「やりたいことは見つかる」前提で設定されているので、見つからないと、自分を追い込み、より苦しむ。できない自分を責めて、劣等感の連鎖に陥る。その場合、どうしたらいい?
5. 自分で手を動かすので納得感がある、応用できる
自分の体験を付箋で書き出し、グルーピングしてまとめる方法を使えば、納得感のある結果が得られる。自分のやりたいことや目標がクリアになるだけでなく、プライベートも含めた人生のビジョンも明確になる。自分の手でまとめているので、他にも応用が効くほか、活用方法もわかる。
6. いま探せなくても大丈夫
人生には「最短・最適な道」はない。遠回りをして、様々な挑戦を経て初めて得られる価値もある。人によっては、遠回りこそが豊かな人生を築くカギ。だから、いま見つからないからといって、自分を責める必要はない。
7. 豊かな人間関係 & 自己価値が向上
ストレスが減って、家族や友人との関係が改善する。周囲の人々から「生き生きしている」と言われ、より豊かな人間関係を築けるようになる。また、自分の価値観に基づいた選択ができるようになることで、転職やキャリアの選択に自信が持てる。他人の意見に左右されず、自分の人生を生きる勇気が持てる。
小説風バージョン 「自分自身を体系化できる 第一の扉」
世間的な評判を軸に、大手IT企業の営業職に就職した梶山 見龍。がむしゃらに働き続け、気づけば30歳。営業成績も上々で、誰もが認める優秀な社員だった。そんな彼が、一つの疑念にさいなまれることになったのは、ある同期との再会がきっかけだった。
4年前、会社を辞めて起業した同期の伊達。彼の事業は最初の3年は苦労の連続で、倒産寸前の危機も幾度となくあった。しかし、今では資金調達に成功し、3年後のIPOも視野に入っている。伊達の目は輝き、生き生きとしていた。自宅への帰路、梶山の心には疑問が渦巻いた。「自分は本当にやりたいことをやっているのか?」、「自分のやりたいことって何だろう?」。シャワーを浴び、鏡に映る自分の姿は、伊達とは対照的だった。
梶山はこれまで、自己診断テストを受けたり、様々な自己啓発書を読んだりしたものの、結果はいつも表面的なものばかりで、自分の本質には迫れない。また、与えられた目標をただ達成するだけの受け身な生き方に、限界を感じ始めていた。もっと能動的に、かつ主体的に自分のキャリアを磨く方法はないか? 自分らしさを活かして、いきいきとする方法はないか?
様々な本では「やりたいことは見つかる」前提で設定されている。そのため、見つからないと、自分を追い込み、より苦しむ。これまで「優等生」路線を歩んできた梶山にとって、それは屈辱であった。できない自分を責めて、劣等感の連鎖へ陥る日もあった。
そんなある日、大学時代の先輩、真田と再会した。悩みを打ち明けると、真田は一冊の本を勧めてくれた。「キャリアアップの方法と自分のやりたいことをセットで解決できる本だよ。俺も読んでクリアになった」。真田の言葉に背中を押され、梶山はその本を手に取った。
本を読み進める中で、キャリアアップの鍵となる3つの要素「自分がやりたいこと」、「自分ができること」、「会社が求めること」が重要であることに気づかされた。これらが重なる領域で仕事をすることが、満足度を高める秘訣だった。また、自分の価値観を明確にするための手法として、自分の体験を付箋に書き出し、グルーピングする方法を試した。楽しかったことや嫌だったこと、その理由を深掘りし、似たもの同士をまとめていく。この作業を通じて、自分自身を体系化することができ、抽象化思考の基礎を学ぶことができた。
3ヶ月後、梶山はA4サイズ1枚に「自分とは何なのか」をまとめた。この資料は社内での自己紹介や、ジョブ・インタビューの場で効果を発揮し、「こいつは他と違う」という印象を与えることができた。
著者のメッセージ「人生に最短・最適な道はなく、遠回りしてはじめて気づくことも多い。その遠回りを何度も繰り返して、やっと気付く場合もある。だから、遠回りには価値がある」という言葉に救われた。これまで必死で効率性を追い求めてきた梶山にとって、初めて聞く深みのある言葉だっただけに、心の奥底まで染み渡った。
能動的にキャリアアップする手法と、自分自身を体系化する手法を手に入れた梶山は、新たな挑戦に向けて、また一歩踏み出す準備を整えていた。いつしか、彼の悩みの焦点はキャリアアップのもう一つの要素、「自分ができること」へと移っていた・・・「第二の扉」に続く。
「キャリアアップの概念図」 能動的なキャリアアップ
能動的なキャリアアップをするには、どうしたらよいか? 私の場合、実務では以下の話をします。
自分のチームメンバーに対し、最初に「自分の市場価値をどのように上げていくか」という話をします。四半期の短期的な目標達成のための改善だと、成長幅が小さくなり、根本的な問題改善に繋がりにくいため、「10年後に今よりも2段上のポストに上がっている自分の姿を想像してもらい、そのための改善策を考えよう」、と伝えます。
次に、私が一番腹落ちした概念図を使って、キャリアアップの説明をします。出典は、有馬誠「ギャップはチャンスだ!」。簡単に言うと、「自分がやりたいこと」、「自分ができること」、「会社が求めること」。私流に解釈すると、「自分がワクワクすること」、「履歴書に書けること」、「相手から一緒に仕事したいと思ってもらえること」、これら3つが重なる領域で仕事ができると満足度が高まるので、その領域を徐々に大きくしていく。
自分がやりたいこと: 自分がワクワクすること (ワクワク感)
自分ができること: 履歴書に書ける仕事をすること
会社が期待すること: 周りからの信頼 (一緒に仕事をしたい = リファーラルをもらえる)
ただ、このプロセスには順序があります。
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