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回覧版:百人一首

ふと。
百人一首といふものが気になった者です。

あれって詠まれた年代も、詠んだお人の身分もバラバラなんですよね。
いってみれば短歌集なんだと思うんですけど。
(あまり学校で勉強してこなかった様子)

そんな百人一首の世界で、これが寄せ集めの歌集ではなく、ただ単に回覧板みたいに、誰かが一首書いたら別の人に回って、それぞれでまた次の人がそれを見て好きに一首書いてまた別の人に回したのだとしたらどうなったのだろうと、ふと思いました。(君の頭の中もどうなっているのでせう)
時代背景とか物理的に無理とか、そんなの一切無視で。
何でもありなやつです。
最初、交換日記のほうで考えてたんですけど、多人数すぎて1回きりの人が多数ですよね、きっと。

そんなことで初めてみました。


 ※※※※※※ (°▽°) ※※※※※※
 詠んだ人は実は違う説とかもありますが
 そういうのは一切抜きです。
 とにかくルールはあってないのです。
 無き知識を無きがままにふんだんに散りばめますので
 受験生は見ない事を推奨します
 主は何でもありの勝手な独自の世界観を楽しんでおります。
 (かの有名な『ちはやふる』も読んだことがありません)



回覧版:百人一首


1日目(天智天皇)
秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ
わが衣手は 露にぬれつつ

大工を呼んでほしい。
こんな見事なまでに手抜き工事をした大工を今すぐ呼んでほしい。
屋根の苫の目が粗すぎて敵わん。
第一に、小屋の中でこんなに濡れることがあるのか?
これまで刈られた稲穂の気持ちになったことはなかったが、
こういう気持ちだったのだろうかと思っておりますよ。
きっとこれを読んだ皆さまは、「まあまあ。仮小屋だから仕方ない」と仰ることでしょう。しかし、実際にこの体験者としては一言申しておかねば気が休まらないのです。

大工を呼んでほしい。

そして大工…と考えていた私にはピンとくるものがありました。
もしや。あの「三匹の子豚」とかいうやつの長男なのでは…?と。
海を越えた遠い遠い国の書物で読んだことがある。
確かそれには「3匹の豚の、上と真ん中は信用してはならん」と書いてあったと思う。うろ覚えであったら豚に謝ろう。
嗚呼しかし、彼奴ならやりかねんでしょう。
ただでさえ大変な暮らしをしている農民の皆さんに、こんな小屋。
許せない。
彼奴の衣手どころか、全身を衣でまぶしてやろうか。
外の稲穂が一段と美味しそうに見えてきましたよ。
お腹がすいてきましたなあ。

2日目(持統天皇)
春すぎて 夏来にけらし 白妙の
衣ほすてふ 天の香具山

お父様、だいぶお怒りですねぇ。
まだその子豚さんがその小屋をお造りになった大工さんであったかどうかは分かっていないのでしょう?
でも、農民の方々のことを思うお父様のお心遣いはとても素敵です。
衣つながりで言えば、私は夏になると天の香具山に干される白いお着物のことを思い出しますよ。
気持ちのいい夏の日の情景です。
青い空!新緑の山!そして真っ白なお着物!
そんな夏のようにカラッとあげてみてはいかがですか、お父様。
青に緑に白。
その三色の旗が掲げられた茶屋で売られている揚げ物はとても美味しいと風の便りで聞きましたよ。私もお腹が空いてきました。

あら。
何をあげろと指定はしていませんよ?
あげるのは、気持ちの方かもしれませんからね。


3日目(柿本人麻呂)
あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む

あぁ、その揚げ物を出している茶屋のことは私も聞いたことがあります。
なんでも1日ずっと商い中とのことで町中の話題になっておりましたな。
店主はいつ寝ているのでしょう。
今度の出張先にその茶屋があれば是非寄ってみたいですね。

さて。
山と言えばですが、山には山鳥がおりますね。
その山鳥には寂しい習性があるのをご存じですか?
仲睦まじい山鳥が、夜にはオスとメスが離れ離れになって一人で寝るんだそうです。そんな悲しいことがあっていいんでしょうか。
喧嘩をしたからとか、そういう理由ではなく毎晩なのだそうですよ。
生まれ変わったら、絶対に山鳥だけにはなりたくないですなあ。

山鳥の尾はとても長いのですが、
その尾のように長い長い夜を、今宵も、私も山鳥のようにたった一人さみしく寝るのであろうかと思うと…。

私のこの心情、どなたか分かってくださいますか?


4日目(山部赤人)
田子の浦に うち出でてみれば 白妙の
ふじの高嶺に 雪はふりつつ

寂しすぎますなあ!
もしかしたら貴方みたいな長々しい夜を過ごす者のために、
夜中もずっと開いている茶屋があるのかもしれませんぞ。
そして、そんな貴方は今後、尾の長い鳥を見るのではなく、尾の短い子豚の方を見た方が良いのかもしれませんな。
夜なんぞ、寝てしまえば次目覚めた時には朝なのですから。
ま、そんな時は心揺さぶられる感動的な物を見ると良いと思いますので、是非私にアドバイスをさせてください。

とりわけ大きなもの。
つまりは大自然に触れるとよろしい。
自然の力はきっと貴方のその寂しい心を一気に明るくしてくれますぞ。
山の中の山鳥を見るのでなく、もっと目線を引いて山そのものを全体として捉えたらよろしい。

田子の浦はご存じですか?一度そこへ行ってみなされ。
そこから見る富士山の姿の、なんと素晴らしき事!
私が見た時は、その富士山のてっぺんが白くなっていたのですが、あれはきっと雪が降っていたのでしょうなあ。
それこそ持統天皇の仰られた白い着物のような真っ白い雪が。
まだ数人しか知らない映えスポットなので、あまり広めたくはないのですが、貴方の心が少しでも晴れやかになる材料になるならば、お節介ですがここに記しておきます。

嗚呼、でもあなたはきっと、
これも愛しい人と一緒に見たかったなあと今度は言い出すんでしょうなあ。
貴方の心にも白妙の雪がだいぶ積もっているようだ。
雪解けは、だいぶ先ですな。


5日目(猿丸大夫)
奥山に 紅葉ふみわけ なく鹿の
声きく時ぞ 秋は悲しき

柿本人麻呂殿の心情、お察しします。
私もね、秋に紅葉を踏み分けながら人里離れたような寂しい山の中を歩いているとね、ときおり鹿が鳴いている声が聞こえてくるんですけど。
その声を聞く時とね、もうまさに。
こう秋の寂しさというんでしょうか。
何とも言えないそれが心にしみて悲しく感じられるのです。
貴方の寂しさの種類とはまた違う寂しさかもしれませんが、
こう孤独感に似た寂しさをね、私もしみじみと味わっていますよ。

山部殿や持統天皇のように、内に入らず外から全体を俯瞰してみた方が心には良いのかもしれませんねぇ。
でも、それでも貴方は中に入ってみたくなる。
そうでしょう?
貴方とは友達になれそうです。


「友達になれそうです」って、その前にお前誰だよっていうくらいに全然知らない方々なのですけれども、勝手な解釈入れていったら少し親近感や愛着がわくという奇跡。
歌を読み解く知識がないので一応意味は調べますけどね。
でも全く知らない中で読み解くのも面白いかな。

6日目以降は、また気が向いたらやろう(笑)


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