
邪魔するな!
社会人になってから、今まで上司と呼べる人が少なく。
上司との心に残るようなエピソードが
あまりない私だが
20代後半ぐらいだろうか?
当時の上司は、いわゆる体育会系で普段から
言葉も態度も厳しく。
感情的で、理不尽さもあるような人。
でも、情に熱く何に対しても本気だった。
私は、表向きは素直に受け止めているフリをして内心は
「私はあの人達とは違う」と一線をひいて
やや遠めから見物するような気持ちで
周りのスタッフやその上司のことをみていた。
「なんであんなに熱くなれるのだろう」と上から
目線だった気もする
(今振り返ると、何様?と自分に言いたい)
そんな中、私の怠慢のせいでお店やスタッフに迷惑をかけてしまったことがあった。
当然、上司にめちゃくちゃ怒られた。
「おい!どうしてくれるんだ!」「ふざけるな」と
これでもかと罵倒された言葉の中で今でもはっきり覚えているのが
「本気でやってるやつの邪魔するな!」
お前は中途半端なんだ!
そんなお前が本気でやっているスタッフ達の邪魔するなよ!
その時は、ひたすらに泣きながら謝ることしかできず。
言われたこともちゃんと咀嚼できずにいた。
そこを辞めて、他のお店で働いた時も感じた。
「本気」の人達をやや遠めから眺める自分。
本当は、自分もそこに入れて欲しかった。
でも、なぜかそれができなかった。
そんな自分を変えたくて
去年「本気」の人達に仲間入りするチャンスを手に入れた。
自分からやると決めたことだが、最初はとても怖かった。
また遠めから眺めようとする自分がいた。
「本気でやってるやつの邪魔するな!」
そう言われる気がしてならなかった。
でも、そんなことなかった。
こんな私でも、みんな受け入れてくれて
一緒に頑張ろうと言ってくれた。
そうか。今まで、表面だけで繕って
「本気」の人を上から目線でみていたつもりだったけど
私には、出来ないことをやっている羨ましさや憧れが捻じ曲がり。
私とは違う人種なんだと思うことで出来ない自分を正当化していたんだ。
勝手に壁を作り、そこには入れないと思い込んでいた。
今更ながらに気付けた。
今度こそ、遠くから眺めるのではなく中心から波を起こしていける人になりたい。
そう思えた。
ずっと奥歯につまっていて、なかなかとれないけど何が原因かわからないままだった
あの時の
「本気でやってるやつの邪魔するな!」
がようやく取れて、今はちゃんと咀嚼できている気がする。