誠実さは「正直に、でも優しく」
「悪いことや嫌なことはちゃんと言ってあげるのが本当の誠実さ」という話は度々耳にする。
私もある程度そう思うし、好きな人や大切な人であればなおさらそうだ。
心の中で思っている不満をなるべく溜め込まずに正直に話したい(自分のためにも相手のためにも)。
ただ一方で、そういうシチュエーションで自分には明確に悪い癖があり、直したいことがある。
「正直になりすぎて優しさを忘れる」ことだ。
例えば友人の悪いところを指摘する場合であれば、
「実は、あなたの○○なところが、正直ウザいし友達やめたくなるときある」
みたいに言ってしまうときがある(流石に少し盛っているが)。
この言い方は相手に対して誠実なのかというと、そんなことは全くない。
なんなら誠実さの皮を被っているだけあって余計にタチが悪い。
「あなたの○○なところが」まではいい。
その後の「正直ウザいし友達やめたくなる」が最悪である。
自分がそう言われたら、それまでの「○○なところ」がどんなに的確であったとしても反発したくなるし、「じゃあ友達やめれば?」って突っかかりたくなると思う。
少し言い訳をさせていただくと、自分がこんな言い方をしてしまっていたのは「全部を正直に話すことが誠実」という考え方だったんだと振り返って思う。
恐らくその友人に対して、本当に「ウザいし友達やめたくなる」と思ったのだろう。
そしてその腹の底の気持ちまで自己開示することが本当の誠実さだと考えていたのだろう。
ただ振り返ってみれば、そこまで全部正直になる必要はないのだ。
「あなたの○○なところは、実はちょっと直してほしいんだよね」くらいで十分伝わる。
なんなら相手が無駄に傷つかないよう配慮している分こっちの方がより「大人な誠実さ」という感じがある。
正直に思っていることを伝えるのは大切だ。
でもその伝え方に配慮して、優しく伝える。
これが本当の誠実さだと思う。
今まであまりそれができていなかったので、これからは留意していきたいな…