12/2(木)世界が注目するスタートアップが集結!〜イノベーション先進国オーストリアに学ぶグリーンテックの最先端〜
初めに
オーストリアといえばヨーロッパの中部に位置し、首都ウィーンを中心に「音楽の都」として、モーツァルトやベートーベンをはじめ多くの音楽家を輩出したことで知られる世界有数の芸術国家。しかし今、そんなオーストリアがイノベーションの先進国として新たに世界中から注目を集めている。12月2日のThursday Gatheringでは、オーストリアから、日本でも問題意識の高まるグリーンテックの分野で活躍する企業をオンラインでお招きし、GREEN-TECH PITCH NIGHTを開催します。本記事では、GO TOKYOを支えるオーストリア大使館商務部の小野寺るみ(Rumi)さんとVenture Café Tokyo小村プログラムディレクターをお呼びし、GREEN-TECH PITCH NIGHTの魅力に迫ります。
イノベーション先進国”オーストリア”
12/2開催の「GREEN-TECH PITCH NIGHT」はどのようなセッションなのでしょうか?
Rumiさん:今回、オーストリアからGO TOKYOというプログラムに参加するスタートアップ6社がThusrsday Gatharingに登場します。GO TOKYOは毎年開催しており、例年は約2週間日本に滞在しながら、Thursday Gatharingを含め、日本国内の様々なピッチイベントやミーティングに参加することで、日本市場にオーストリア発のスタートアップが進出できるようにオーストリア大使館商務部(以後、Advantage Austria)がサポートしているものです。今年度はGreen-tech(グリーンテック)をテーマにしています。ヨーロッパやオーストリアにおいては、この分野に大変強みを持っているので、日本の様々な企業や投資家の皆さんにオーストリアの先進的な技術やテクノロジーを知っていただける機会になると思います。今回、スタートアップ6社はオンラインにて登壇を予定していますが、Advantage Austriaの担当者がCIC Tokyoにて司会を行います。オーストリアとのコネクションをつくっていただくために、現地にもぜひお越しいただきたいです。
現在、テクノロジー先進国として各国から注目を浴びるオーストリア。当日はオーストリア独自のエコシステムやイノベーションについてもお聞きできると思いますが、ぜひオーストリアのスタートアップエコシステムについて少しだけ教えてください。
Rumiさん:大変多くの国から注目していただいているオーストリアですが、国としてはヨーロッパの真ん中に位置し、北海道ほどの大きさしかありません。ですので、オーストリアのスタートアップにとって輸出は必須であり、経済成長という側面で輸出に対するサポートは政府の大きな役割です。特に、アメリカやヨーロッパへの輸出に比べ、アジアへの輸出は難しい部分があるので、今回GO TOKYOでは80%のコストを援助する大きなサポートなどもあります。エコシステムに関しては、オーストリアはそのコンパクトな規模を活用して、テストマーケットとしてもよく使われています。ドイツで新商品が出てくるとまずオーストリアで試してみるという様な動きがありますね。こういった政府の取り組みや、ヨーロッパにおけるオーストリアの役割は日本企業にとっても面白いのではないかと思います。
日本のスタートアップ企業にとっても面白いセッションになると思うというお話がありましたが、こういったオーストリアの先進的な動きは、日本企業にとってはどのような影響を及ぼしそうでしょうか?
小村:落ち着きを見せ始めているとはいえ、コロナの影響がまだ続く今、グローバルコラボレーションを加速させるという観点でとても刺激的だと思います。今回、オーストリアからの登壇者は現地から参加していただくハイブリット開催になっていますが、今回のような形式は海外渡航が難しい今、コラボレーションの機会を創出するいい機会だと思います。加えて、日本の企業やスタートアップなど、特定のセグメントに限らず皆さんにとって、オーストリアの技術や問題意識などは日本のそれとは異なる部分があると思うので、それだけでとても刺激的だと思います。
Rumiさん:欧州では、より環境に優しく、より持続可能な経済に焦点が当てられており、サプライヤー企業の環境基準がますます注目されています。特に日本の大企業は、あらゆる分野の部品や半製品を欧州に供給しています。このような企業に対しては、環境に配慮した生産プロセスに関するEUの新しいガイドラインがあります。そのため、特に日本の大企業やサプライヤー企業にとって、グリーンテック関連の新興企業との協力は、欧州でのシェアを落とさないための大きなチャンスとなります。
グリーンテックを牽引するヨーロッパ
グローバルコラボレーションという言葉がありましたが、今回登壇してくださるオーストリア発のグリーンテック企業6社の特徴をお教えください。
Rumiさん:日本とはモノづくりの伝統を共有しているので、スタートアップの強みは特にエンジニアリングや技術分野であり、これはTechBIZKONやgoTokyoプログラムの柱でもあります。GO TOKYOに参加するスタートアップは応募のあった25社から事前に選び抜かれたグリーンテック企業6社なので、より尖ったテクノロジーを持った企業です。グリーンテックといってもすごく幅広いので、様々なものをご覧になって、多様なアイデアを吸収できるのではないかと思います。サステナブルな買い物を促すソルーションからやEVバッテリー・モニタリング機器、スマート漁業に関わる企業まで本当に幅広い分野で注目されている企業です。また、今回登壇する6社のうち上位の3社は12月7日(火)に開催されるTech BIZKON Vという今回で5回目になるドイツ、イタリア、ベルギーと共催しているピッチイベントにも参加しているヨーロッパの精鋭企業です。
グリーンテックという分野は今オーストリアでどのような盛り上がりを見せていますか?スタートアップで特に盛り上がっている分野があれば教えてください。
Rumiさん:オーストリアといえば、オーガニックファーミングや再生エネルギーが重要テーマとなっています。ヨーロッパ全体としても、グリーンは政党の名前になるほど注目されており、今回私がオーストリアに帰国した際も市民のグリーン意識はかなりの高まりを見せていて、スタートアップにとってもすごく入りやすいテーマになっていると思います。市民の目がとても厳しいので企業のプレッシャーも大きいと思いますね。
日本企業とのコラボレーションに向け
日本でもカーボンニュートラルなど含め、グリーン意識の高まりがあるので、オーストリア市民のグリーンに対する意見もかなり勉強になりそうです。Advantage Austriaとして今回のプログラムやセッションを通して期待していることは何ですか?
Rumiさん:オーストリアといえば音楽など文化が注目されがちですが、やはりオーストリアの先進的なテクノロジーの強さに目を向けて欲しいですね。さらに、見てもらうだけでなく、日本企業にとっても共創することで強みになっていくと思っているのでコラボレーションが産まれていくことを期待しています。一方で、海外のスタートアップとともに働くとなるとスピード感が何より重要ですので、それを意識して日本企業には伴走して欲しいなと思いますね。
なるほど。スピード感というお話がありましたが、お二人は日本企業のスピード感の欠如を感じる瞬間や今後コラボレーションを加速する上でどのようなことが重要だと感じていますか?
Rumiさん:特に決断のタイミングで強く感じます。失敗してもいいのでやってみるという意思がないと海外とのコラボレーションは厳しい様に感じます。スタートアップとのコラボレーションにおいては特に重要だと思いますね。
小村:賢く失敗するということじゃないでしょうか。失敗は出来れば避けたいですし、回避しなければいけない失敗もあると思います。他方、イノベーションは失敗とも呼ばれるラーニングの中で生まれてくると思うので、むしろ失敗することが重要でそこから何を学ぶかが重要だと思います。なので、海外とのコラボレーションリスクを見極めながら、賢く失敗することをよしをすることが海外スタートアップとのコラボレーションを進めていく上で重要だと感じました。
Rumiさん:そうですね。日本では決断に要する時間がかなりかかり、すぐに利益が出ないと進まない部分があるので海外企業としてはその決断を待てないことがよくあります。ですが、こういった決断に対する日本と海外の文化の違いはお互いの結果にプラスの影響を与えるとも思っています。
終わりに
最後に、12/2のThursday gatheringに参加される皆さんへメッセージをお願いします。
Rumiさん:オーストリアという国は音楽のみでなく、テクノロジーにも強い注目のスタートアップ企業を多く輩出しているので、ヨーロッパのイノベーションの最先端に是非触れていただきたいと思います。
小村:Venture Café Tokyoとしては、オーストリア大使館商務部の皆さんとは立ち上げの段階からコラボレーションさせてきていただいています。今回の機会もとても光栄に感じています。まさに、グローバルの時代だからこそ、コミュニティの皆様には是非この機会を活用いただいて世界に繋がるコネクションを作って頂きたいと思うので是非現地にて参加ください。
12/2開催のThursday gathering、ご参加はこちらからお気軽にどうぞ。
お知らせ
Venture Café Tokyoは毎週木曜日16時-21時に「Thursday Gathering(サーズデー・ギャザリング)」をCIC Tokyo(虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー15F )で開催しています。多様なイノベーター達によるセッションやイノベーションを加速させるワークショップ等を通じて、参加者は学びを得ながら、そこで得た共体験を梃子にネットワークを拡げることが出来ます。良きイノベーションの輪を拡げることを通じて、共に世界を変えましょう。