ムルマンスク紀行~世界最北の鉄道駅がある街へ~③
2日目のつづき
とりあえずホテル「Tri Zaytsa」にチェックイン。
といっても立派なものではなくマンションを改造したような感じの、民泊といった感じの施設だ。
ロシアでホステル以外の安い宿となると大体こんな感じのところになる。
お値段は1泊約2,000円
とりあえず荷物を置いて街へ出ることにした。
駅まで戻って陸橋を渡り海沿いのエリアへ。
陸橋からは大量の石炭用の貨車、山のように積まれた積み出し用の石炭が見える。
前回も少し触れた、この町が発展したのはこれが大きな理由の一つ。
北大西洋海流の影響で冬でも港は凍らない。
第二次大戦時にはアメリカからのレンドリース物資の多くがここで陸揚げされ対独戦線へと投入されていった。
港エリアまで来たが商店などはなく少し寂しい雰囲気。
そしてその港に係留されているのがソ連が誇る世界初の原子力砕氷船レーニンである。
原子力砕氷船レーニン
この船は1959年に就役した世界初の原子力砕氷船でバレンツ海からベーリング海峡に至る北極海航路を冬季を含めた通年の運行ができるように建造された。
就役中に2度の炉心溶融寸前の原子炉事故を起こしており、その事故を起こした原子炉は北極海のノバヤゼムリャ島近海で投棄処分されたらしい(えぇ…)
1989年に退役した後ムルマンスクに係留され2005年からは博物館として一般公開されている。
船大好きマンなので入ろうとしたが営業時間外だったため泣く泣く退散。
港周辺にはこれ以上何もないのでバスに乗ってムルマンスク随一の観光スポット「ソビエト極北防衛隊慰霊碑」へと向かう。
ソビエト極北防衛隊慰霊碑
街の北側にある丘の上にその慰霊碑像は立っている。
高さ35mのこの像は第二次大戦時のドイツ軍のムルマンスク攻略を目指し発動した銀狐作戦や、レンドリースの援助物資の陸揚げを妨害するために行われた空爆作戦により犠牲になったソビエト兵を弔う目的で1974年に建設されたそう。
親しみを込めこの像は地元の人からは「アリョーシャ」と呼ばれているみたいだ。
アリョーシャのある丘からはムルマンスクの市街地を一望することができる。
秋口の北極圏の空はどこまでも澄んでいてとても気持ちがいい。
木々の葉も少し色づいてこれから迎える長い冬を予感させる。
今晩の天気を調べてみると雲は出ないようだ。
とすればオーロラも見られるかもしれない…と思いながらとりあえずホテルに戻ることにした。
その4へつづく…
※この旅行記は2018年9月のものです。