ムルマンスク紀行~世界最北の鉄道駅がある街へ~⑤ そしてオーロラ
陽が落ちてしばらくして外に出てみると空の一部がぼんやりと明るい。
最初は「雲が地上の明かりを反射してるのか」と思ったがどうやら違うらしい。
そう、オーロラである。
初めてオーロラを見る人間にとって”それ”がオーロラとは認識できなかった。
絶えず形を変え色を変え”それ”は頭上で舞い踊る。
あたり前だが音は一切無い。
テレビやネットでオーロラの映像を観たことがあってもその映像には必ず何かしらの音楽がのっていた。
しかし、実際にはオーロラは何の音も発さない。
それがすごく新鮮に思えたと同時に少し恐怖を覚えた。
怖いのだ。
ほとんどの事象は音を伴うのにオーロラはただただ光だけが舞い踊っているのだ。
オーロラがその美しさゆえに恐怖と畏怖の対象であったということを身をもって知った。
昼間に行ったアリョーシャにも行ってみることにした。
街の上空にオーロラがかかる。
広がっては消えそしてまた現れる…
2日目にしてこのレベルのものが見られると思ってなかったので大変満足な一夜になった。
つづく
※この旅行記は2018年9月のものです。