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洗濯機を買い替えた日記 その1〜理由〜 

 ほぼ十年使った洗濯機が、脱水時に手負の獣のようにあばれるようになり、かつ外側が腐ってきたので買い換えることにした。
脱水時の暴れっぷりはもうモーターがお疲れなのだと思う。年数的にはもうちょいいける気もするが(鬼)、年数ではなく稼働率の問題だろう。
そして、腐って、は比喩ではなく、本当に腐食しているのだ。
まあ、どれだけ汚く使っているの?
洗濯機清掃とかしないの?
と、方々からお叱りを受けそうだが、私もこんなことになるとは思わずに洗濯機が設置されている真横の洗面台で「ハナブー」を使いまくっていたのだ。
 ハナブーの表記は「鼻ブー」(私が決めた)。

これが鼻ブー(公式ページの画像)

正式名称は
東京鼻科学研究所
「ハナクリーンSハンディタイプ鼻洗浄(鼻うがい)150ml」
 商品説明(Amazon参照)
『「ハナクリーンシリーズ」は1979年に誕生して以来、40年以上の販売実績がある耳鼻科医が考えた日本製の鼻洗浄器です。初めての方でもつーんとせずに気持ち良い本格的な鼻洗浄ができます。』
となっております。

 春には春の、夏には夏の、そして秋には秋の花粉たち、草木が寝静まった冬には寒暖差と年がら年中アレルギーに悩まされている私にとって、この製品は一生をともにすべきものだ。
 でっかいスポイトのような本体に塩水(体液と同じ浸透圧濃度・生理食塩水)を入れて、蓋についた管で鼻中を洗うという単純明快な仕様で、簡単に使えてかつなかなかの効果を発揮し、安寧を与えてくれる。
 問題は、塩水ということだった。
 洗面台に屈んで使っても飛沫はそれなりに飛んでいる。鏡や洗面台はその度に流し、拭いていたが真横に鎮座している洗濯機のことは忘れていた。まさかそこまで塩水が飛んでいるとは思わなかった。
 石の上にも三年、雨垂れ石を穿つ、塵も積もれば山となる。
 ごくごく微かな飛沫を毎日毎日受け止めていた洗濯機は、塩分に侵食されて、見事に腐った。あらまあ、である。
 最初は何事かと思った。メーカーさんの塗りが悪いの? と他責思考に走ったが、心がけがいいので(大嘘)思い直して気が付いた。
 塩だ。
 潮風が吹く場所にあるベランダは錆びると聞く。
 幕張のZOZOマリンスタジアムも潮風で結構錆びているらしい。
 塩の威力は半端ないのだ。
 最初は腐った部分にテーピング(なんてことはない布製荷造りテープ)をして誤魔化していた。誰に見せるわけじゃないし、使えれば大丈夫。我が家の家電にルッキズムは不要。
 徐々に腐食は広がってきたが、見ざる聞かざる言わざるでやり過ごしていたが、とうとう脱水時に問題行動が起きるようになった。
 脱水時に止まる止まるまた止まる。
 止まるだけならまだいい。止まると我が家の洗濯機はもう一度注水して、絡みあった洗濯物をほぐすというとっても親切な機能が装備されている。
 これが本当に小さな親切大きなお世話の見本のような機能で、ほぼ使えない。
 絡まった洗濯ものが水道水ボリュームの注水ごときで解せるわけはないことは、洗濯機を使っている方なら想像がつくと思う。
 ズボンやらシャツやらタオルやら様々な形状の洗濯物を同時に放り込んでいる全自動洗濯機。ぐるぐる回った後の姿は完璧な巻貝のフォルムを形作っている。(今の新しい洗濯機なら改善されているかもしれないが、我が家のは絡む)
長袖シャツがタオルに寝技をかけ、ジーンズがその塊を四の字固めだ。
 お上品な注水ごときでどうなるものでもない。なのに何度も注水を繰り返しては止まり、また注水する。律儀と言えば律儀なのである。律儀っていいことばかりじゃないなとしみじみ思う。適当って大事。
 洗濯は終わらないし、水はもったいないし、つきっきりで面倒を見るなんて全自動洗濯機の風上にも置けない。
 しかも腐食は進む。
 仕方がない、新しい洗濯機を買うか。
 とうとう、重い腰をあげ、軽い財布を開けることにした。
                 
 洗濯機を買い替えた日記 その2へ続く

 
※イラストACのフリー画像を使用しています。


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