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#24 変わりゆく繁華街

先日、出張で一時帰国をしたのですが、仕事を詰め込みすぎたために疲労がたまってしまったせいか、当地、ベトナムはホーチミン市に戻るとともに体調を悪化させてしまい、一週間ばかりの間、関係各位に大変迷惑をかけることになってしまいました。
これは対外的に公表していた内容であり、もちろん仕事は忙しかったのですが、それとともに毎夜のごとく飲み歩いていたこと、休日に遠出をしていたことも体調不良の一因であると思われます。ただし、これは私の胸のうちにしまっていたため、仕事関係の皆様からは多くの心配の声をいただくことになり、ばつが悪い思いをすることになりました。

これは以前にもnoteに記したことですが、一時帰国は私にとって日本食を食べ、また日本のビールやビール以外のお酒を飲む限られた機会であるがため、毎夜のごとく足は繁華街に向くことは必然の行動となるのであります。
大抵はかつて行きつけであった居酒屋などを中心に酒肴を楽しむのですが、ここ数年、具体的に申し上げるとコロナ禍以降、私のホームグラウンドであった繁華街の雰囲気がだいぶ変わってきたように感じます。

若者が増えることはいい傾向だと思います

いくつかの店は閉店し、新しい店に代わっていたり、何より、かつては中年男性の街であり、若者、特に女性が足を運ぶなど想像もできなかった場所が多くの若者が集い、大変賑わっております。
『若者のアルコール離れ』などの声を聴く昨今ですが、そんな状況を見るに報道と現実では乖離があるのではないかと思い、また、そんな彼らがこれらの繁華街を当世風に変化させながら存続させていくのだななどと考えながら杯を傾けておりました。
とはいえ、競馬新聞を片手に、店内に設置されたテレビでレースを観戦していた客層が中心であった当時はどこか居心地がよく、若者で賑わう店内で中年男性が一人で酒を嗜む現在は落ち着かないものがあるのも事実であったりします。

個人的には、おでんにはカラシよりヌックマム(魚醤)が合う気がします

さて、話しは当地に戻ってから体調を崩したもう一つの原因になりますが、ここ数回の一時帰国の際、休日は日本各地に出かけるようにしております。そして、名高い観光地や景勝地に赴くわけではなく、かねてより一度は訪れたいと考えていた場所が中心となっております。
人が多く集まるような街に行くわけではないので、人混みにもまれるなどの心配はないのですが、故に街の規模も大きくないことが多く、のんびりと滞在を楽しむことができています。
そして、その旅行の何よりの楽しみは食事、特に夜の食事なのですが、居酒屋などでその土地の名物をいただいては顔を赤らめております。

日本に住んでいたら生涯行かなかったかもしれません

かつてとは変わった行きつけであった繁華街、初めて訪れる街での店選びはなかなか楽しいものですが、これは当地においても同様であります。
こちらも以前にnoteに記したことですが、私は当地で7回の引っ越しをしております。比較的近所に引っ越すこともあれば、離れた場所に引っ越すこともあり、その都度、どの店が美味しいか、どの店で何を食べればいいかを見極めるべく近所の居酒屋を渡り歩いております。
幸いなことに、いままで住んだ地域には様々な料理を提供する盛り場があったので、そこを中心に居酒屋を巡り、また付近に点在する店も多く訪れることができ、おかげでかなりの知見を得られたのではないかと思っております。

有名な専門店よりもおいしいと思っている海鮮料理店の鳥鍋

さて、先日そんな当地において頻繁に足を運んでいた居酒屋が密集する地域まで散歩で赴いたのですが、私がお気に入りにしていた店のいくつかが閉店してしまっており、軒並み瀟洒な造作のカフェにとって代わっておりました。
交通インフラが整っていないこともあり、当地における移動は主にバイクとなり、以前であれば酒肴の席に出かける際の足もバイクであり、飲酒運転における基準、罰則もかなり緩い内容でありました。しかし、近年は自家用車の所有率も上がり、さらに飲酒運転による交通事故の増加により、いまでは一切の飲酒運転が禁止され、また罰則も大変厳しい内容となりました。

当然、居酒屋が密集する地域付近では交通警察官による取り締まりが活発となり、飲酒をする際にはバイクタクシーを利用する方々が増えたものの、わざわざ遠くまで運賃を支払ってまで出かける方々が減ってしまったと聞きました。私自身、最近はわざわざ家から離れた店まで出かけることはほとんどなく、近所のいくつかの店をかわるがわる訪れています。
そして、こちらもニュースなどで目にはしていましたが、その影響で居酒屋の経営不振が進み、閉店してしまう店が増えているとのことでした。そして、先日の散歩の際に実際に目の当たりにした、かつてよく通っていたお気に入りの料理があった店が軒並み閉店してしまった状況には、これも繁華街の変化だとは思ったものの、うら悲しさを感じました。

カフェもお客さんは多くいらっしゃいました

ところで再び一時帰国の際の休日に訪れる日本各地の件に戻りますが、訪れた街の居酒屋を巡ることは大変な楽しみではあるのですが、どうも地方の店では入店を断られることが多い気がします。
気がすると言うより、ほぼすべての街で一回は入店を断られているのですが、どう見ても空席があり、またどう考えても閉店間際などといった状況でもございません。
『一見の客お断り』ならそのように明言してくれればいいと思うのですが、もしや先日の一時帰国の際に警察官より職務質問を受けた私のことですから、怪しい中年の一人客とみられたのかしらんなどと落ち込んでしまっております。

お気に入りの店が末永く残っていくことを願っています

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