#1 ベトナムはお好きですか?
もし、みなさんが「ベトナムは好きですか?」と質問されたら何と答えるでしょうか?
そもそもベトナムのことをよくご存知でない方も多いと思いますし、知っていても何らかの感情を持たれている方は多くはないかもしれません。
また一方で、最近では日本に留学や仕事、技能実習生として、さらには不法滞在者として多くのベトナムの方が日本にいらっしゃるようですので、様々な感情を抱かれている方も少なくないかもしれません。
おそらく多くの方はこのような質問をされることはないと思いますが、私はこの質問をよくいただきます。
その際ですが、ほとんどの場合において「好きでも嫌いでもありません」と答えております。
なかには私がベトナムが大好きで、それが高じてベトナムに住み続けていると思われる方もいらっしゃるようですので、驚かれることもしばしばです。
まずはその辺りの理由を書き留め、note の初投稿といたします。
話は前後してしまいましたが、私は現在ベトナムはサイゴン(ホーチミン市)に住んでおります。
仕事の関係でこの地に来たのでありますが、当初は2020年の東京オリンピック前には本帰国を、などと考えておりました。
そして帰国の際にはホーチミン市からハノイ市まで旅行をして、日本に戻ったあかつきには異郷での生活の垢落としがわりに温泉巡りをして、美味しい料理に舌鼓を…などと漠然とした予定を立てていたものでした。
しかし、折からのコロナ禍とそれによりもたらされた仕事への影響などが重なり、思い描いていた本帰国の望みは叶わず、10年を超えてこの地に滞在しております。
さて、私がベトナムを好きでも嫌いでもない件について話を戻しますと、これは非常に単純な理由になります。
おそらくほとんどのベトナム在住者の方々も同様だと思うのですが、住んでしまえば好きも嫌いも意識しなくなり、仕事をこなしてたまには遊び、ただ日々を重ねていく生活になってしまうからにほかありません。
ベトナムが好きで当地での生活を始められた方もいらっしゃるかとは思いますが、おそらく一ヶ月も生活をしていればそんな感情も薄れてしまってくるのではないでしょうか。
私の場合、そもそも好き嫌いの前にお恥ずかしい話ではありますが、当地に来るまでほとんどベトナムについて知りませんでした。
知っていたことの一つとして、歴史の授業や映画を通じてベトナム戦争があります。
しかし、私どもの世代の方々に共通かもしれませんが、近代史の授業は非常にあっけなく終わってしまったように記憶しておりますので、それがベトナムとアメリカ、資本主義・自由主義陣営と共産主義・社会主義陣営の戦争であり、結果アメリカ軍の撤退により終結した、程度の知識しかありませんでした。
ちなみに、ベトナム戦争ついては局地的な知識はあるのですが、ここでは控えさせていただき、また別の機会にまとめようと思います。
そして、ベトナムの文化についてはほとんど知らず、アオザイという民族衣装があり、女性の皆さんは日常的にそれを着用しているものだと想像しておりました。
ですので初来越の際、ほぼ全ての女性が当世風のファッションに身を包んでいるのを目の当たりにして、逆カルチャーショックを受けたものです。
ちなみに、参考までに Áo dài(アオザイ)とは " Áo = 服 "と " dài = 長い " の意味で、直訳すると " 長い服 " ということになります。
また、食事については Phở(フォー)という名の麺料理が有名なことを知っている程度で、当然ながらこの地に来るまでベトナム料理を食べた記憶はございません。
そして、当地に住み始めた当初は『やけに西洋風の建物が多いな』などと思い調べてみたところ、かつてインドシナ連邦と呼ばれたフランスの植民地の時代があったことを知ったぐらいの知識のなさでありました。
ですので昨今、SNS などを通じて『ベトナムが好き』 と公言されている方々を見かけると、その知識や情報収集能力に心より関心させられています。
ついでに申し上げますと、「ベトナムは好きですか?」の質問と同じく「ハノイとホーチミン市のどちらが好きですか?」といった質問もよくいただきます。
これについては明確に「ホーチミン市です」と答えられます。
南北に長いベトナムの北と南の都市のことですから、言葉、習慣、料理の味など様々なことが異なります。
そんなわけですので、首都ハノイへ仕事などで訪れると、おのぼりさんよろしく居心地の悪さを感じ、早く住み慣れたホーチミン市に帰りたいと考えてしまいます。
在ベトナムの日本人の方々を向こうに回す可能性もございますが、これについては私にも一家言ございますゆえ、おいおいまとめて明文化したいと考えております。
ところで、ベトナムについては好きでも嫌いでもないと記しましたが、私がこの国で知り合った方々はベトナム、日本、他の国々含め、みなさま大変良い方ばかりで、その方々については心より好きであると言えます。
長々と駄文を綴ってきましたが、私はまだしばらくは日本への本帰国は見込めそうにありませんので、いままで通りのスタンス " 好きでも嫌いでもない " で気負わずに生活し、日々感じたことや備忘録がわりに note を始めてみようと思います。