3段落ち−2
「どこが記憶力ぇえねんってツッコミたくなるで、ホンマに・・・」
「ですねぇ・・・なんでメモ取らんのやろ?」
「なぁ? ちゃんとメモ取れよって言うたんやで、最初に。忙しなったら いちいち 言うてられへんからな って言うてんのに」
「まぁ 未経験やから飲食わかってないんでしょうねぇ」
「で まぁ簡単なのから教えてやらせてみたら」
「ら?」
「僕が見てる時は教えた通りにしよるけど 見てなかったら好きなようにやりよるねん」
「ぇえ?まだ入って日も浅いのに?」
「そうやねん、この段階でオリジナルぶち込んでくるのって まぁ仕事できひんヤツの特徴やんか」
「ですね、できんヤツほど 俺オリジナル やりたがりますね」
「料理て手順があるやんか、塩胡椒で下味つけてから 粉まぶす、とか」
「理にかなった手順ですもんね」
「そこを解ってないのに俺オリジナルやから もぉ無茶苦茶やねん」
「あきまへんなぁ・・・」
「先に塩胡椒してからや、って言ったら ぁあ 忘れてました やて」
「記憶力良くないですやん怒」
「そうやろ!? もぉ・・・一時が万事この調子やし 本人は記憶力に自信持ってるんやから 要は【覚える気がない】 いう事やろ」
「・・・でしょうねぇ、本当に記憶力が良いんやとしたら 覚える気がないんでしょうねぇ・・・呆」
「で やる気もないねんなぁ・・・」
「せめてやる気は出してほしいですねぇ」
「ちょっとだけ ゆっくりしてる時間とかノーゲの時あるやんか、そういう時って嫁ぐ君を筆頭に皆せっせと掃除したり 僕は仕込みしたり」
「ま そうですよね」
「で 初めは教えてたけどな 最近は 言わな やらんのよ」
「へ? どこそこを掃除してきて、とか毎回ですか?」
「そぅ、で言わんかったら 一人だけ ぼさっと突っ立っとるねん。みんな動いてるのに。で『掃除して』て言うたら、言われた事はそれなりに やるねんけど、それでも お客さんが入りだしたら一旦掃除は中断するやろ」
「当然。。。なんですけど」
「アカンねん、ずっと掃除しとるねん」
「・ ・ ・ 状況が読めない?」
「ぃやだから飲食を解ってないしな」
「解ってないというか・・・」
「言われたことはやります、な態度なんよな」
「でもそれって 言われてないことは やりませんってことですよね?自発的に動いてないんですよね?」
「そうやねん、周りのスタッフが掃除はじめたら 自分は何したらいいですかとか 何かすることないですか、とか聞けばえぇやん」
「ん?聞いてもないんですか?」
「ぅん、一人でぼさーっと突っ立ってるゎ」
「ぼさー・・・・笑笑笑」