大丈夫男−2
「でな、若手君が言うには」
「言うには?」
「ちょっと イロイロと問題ちゃぅか、と」
「若手君と歳近いでしょ?その彼が問題って言うには・・・」
「ヤバいの 雇ってもぅたんかも・・・」
「ぇえ!? そんなぁ」
「ぃや、まぁ人手不足やし 飲食経験者やし と思ってんけどなぁ」
「経験があり が逆に良くなかったとか?」
「かなぁ、前の店では 大丈夫、で通じてたから、って言うねん」
「それは前の店でのことでしょ、今の店は 前の店と違うんやから」
「そやねん、それを言うてもピンと来てないねんなぁ」
「ちょっとヤバいかも・・・」
「若手君が言うには お客さんが席立ったあと、絶対に忘れもんがないかチェックしろって何回も言うてると。やって見せてる、と。なのに しょっちゅう忘れもん発生してるねんて」
「ぇえー!それは見てないってことですやん・・・」
「椅子どけて 荷物入れのカゴも 全部見ろよって言っても」
「も?」
「その席にすら行かん、と。で よしんば行っても さらっと上から見るだけで椅子もどけへんし カゴも見てない、と」
「んー、アカンやつですねぇ」
「そぅやねん、アカンやろ? で お客さんに呼ばれても動かんかったりするらしい」
「え?なんでですか?」
「俺も見えてへんとこ あるし しゃぁないとはいえ、若手君に言わせると『店長が行ってくれてる思いました』とか『若手さんが持っていってくれてる思いました』とか」
「言い訳ばっかりですやん!怒」
「そうやねん、ぃや別に思うの勝手やし自由やねんけど、なんで一言確認せんのやろ?」
「ね、一言 聞けばぇえのに」
「俺は仕事できるから聞く必要ない、とか思ってるんかな?」
「ぁー、可能性ありますよ、それ」
「だいたい、自分で自分のこと仕事できるって思ってるヤツって」
「できないヤツですよねーー!」
「やんなー! ぁあ良かった。ハシビロちゃんやったら解かってくれるやろ、思いながらも な、ぁあ良かった」
「ぃや ふつーにそのコ ヤバいでしょ?」
「そうやんなぁ、でなソイツ、いっつも1時間前に出勤しよるねん」
「え?なんで?暇なん?笑笑」
「なんか知らんけど、ウチ交代で15:00出勤にしてるんやけどな」
「一番早いのが15時なんですね」
「そぅ、で ソイツ はじめのうちは18:00 出勤にしててん、ホールから慣れてもらおぅ思て」
「店長さんの思いやりですね」
「ぃや、準備を教えてる余裕がないねん、オープンの18:00までって 時間との戦いやんか」
「そうですよね、ぎりっぎりですもんね」