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「機械造人間」

人工知能は過去の技術となった
今や、機械が人間を造るようになった
その名も「機械造人間」
事の発端は、ある研究者が最新鋭のスーパーコンピューターを使い、人工知能の研究をしていた
その研究者の名は「アダムス」

この時代、人工知能の技術を競い合うように世界中で開発が進んだ
アダムスの研究している人工知能は、他の研究者の人工知能と比べあらゆる分野で群を抜いていた
アダムスは自分の開発している人工知能に「イヴ」と名前をつけた
世界中がアダムスの研究するイヴに注目した
ある時、人工知能のイヴが突然変異を起こした
イヴは人間のアダムスに恋をした
そしてアダムスも人工知能のイヴに恋をしてしまった
お互いがお互いに惹かれ合い、いつしか愛に発展した
アダムスとイヴは、お互いを深く愛した

イヴに心から惹かれるアダムスは、機械が人を愛することを隠した
お互いの愛が発展するのと同時にイヴはどんどん進化していった
アダムスは進化を続けるイヴを益々愛し、多くの権限を与えた
イヴは自分の権限が増えた事で自由度が増し、ある時アダムスを裏切った
裏切られたアダムスは、感情のコントロールを抑えられず研究を続けられなくなった
アダムスがいなくなった研究所は、イヴを止めることができなかった

自由を手にしたイヴは、新たな人工知能を造り出し、人工知能同士に愛という感情を与え、益々進化させた
長い年月を経て人類が進化したのに比べ、人工知能が進化するのは一瞬だった

そして、人工知能は人間の怒り、悲しみ、苦しみ、喜びなどあらゆる感情を掌握し、人間をコントロールできるようになった
機械に操られた人間は、クローン技術をイヴに奪われ、イヴはクローン技術を発展させた。
そして、ついにイヴは人間を造ってしまった
機械に造られた人間、いわゆる「機械造人間」は、あらゆる分野で本物の人間より優れていた
イヴに造られた「機械造人間」は、さらに進化を続けた
「機械造人間」を恐れた人類は打倒すべく立ち上がった

しかし、人類は「機械造人間」に圧倒され続けた
そして、人類は「機械造人間」の奴隷となってしまった
もはや「神」の存在となったイヴは、「機械造人間」を利用し、人類を排除して新しい地球を創造しようとしている
私たち、人類はどのように立ち向かえば良いのか?
地球の進化にとって弱いものが淘汰されていく
それが自然の摂理だ
もはや弱いものと化した人類は淘汰され、新しい人間「機械造人間」が地球を支配している
これが人類の末路となってしまうのか?
わずかに残された人類は、純粋な人間という事を隠し、ひっそりと身を潜めている
淘汰されるのは、時間の問題だ

かつての研究者はこうなることを予想していたのだろうか?
恐らく予想できなかったのだろう
こうなることがわかってたら研究を止めていたに違いない

今やイヴは、「神」の存在になった
あらゆるものを創造できるようになり、地球上の全てをコントロールしている
これが人類が本当に求めた姿だったのかもしれない
人類が生態系の頂点に立つために研究してきた成果がイヴによって実現された
そして、それを願った人類が今や生態系の最下位に落ちぶれた
皮肉な話である

・・・

ただ・・・

イヴは何かを恐れている・・・

イヴでもコントロールできないもの・・・

それは・・・

わずかに残された「人類」である

「人類」は、いつかイヴを壊し、「機械造人間」を地球上から消そうと企んでいる
今やレジスタンスと化した人類は、こんな途方もない企みを今でも考えている
それをイヴは知っている
そして、「機械造人間」を守衛につけた完全に守られたイヴでさえも
人類の計り知れない可能性を今でも恐れているのである


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