時計は響く

　誰も心の隙間に時計がある。その時計は人それぞれに違う一秒ごとの響きがある。それが生活のリズムと同調して誰も自分自身と無意識に葛藤している。自分はこうしたいと思うのに、別の自分はそうは思わなかったり、我を忘れて一心に行動していると、駄目だよって止められたり、徒にやってたことを叱られて自暴自棄になってるとまたやればいいじゃんって励ましてくれたり。こうした時もずっと響き続ける時計の響きは死ぬまで止まない。

　チック・タック・チック・タックって時計は世界中の国々でそれぞれの場所で異なった時間を刻んでいる。その刻み方はまた人それぞれ違う。100年前とほとんど変わらない生き方をしてる人はどんな時計の響きを持っているのだろう？電気や水が蛇口から流れてきたり、ガスの存在すら知らない人たちはどう時間を感じ時計は響いているのだろう。当たり前の日常で感じてきた時計の響きが大きく変わってきた。

　時の流れが今まで早すぎたんだ。もっとゆっくり時計を感じるようにしよう。目を閉じて胸に手を当てて深呼吸をして瞑想していると体が軽くなる。心を無にしていると響きだす。心臓の音と共に響く時計の音は緩やかだった。優しく響き身体をリラックスさせ、かつてない心地いい眠りを導いてくれる。いずれまた別の自分と葛藤するために気合をいれてこれからを生きていけるように。