イムズの思い出。アルティアム鑑賞。
風邪から万全とはいえぬが周りに迷惑をかけない程度には回復した。熱もなく、咳もない。お医者様にはお忙しい中ご迷惑をかけたと思う。1週間ぶりに事業所にて午前中は作業。それから帰る途中、というか迂回して天神に向かった。
ぐるっと回って北から南へ下る感じ。福ビルと天神コアがあった場所がスッキリしているのはいまだに慣れぬ。その向こうに見えるイムズも今月までなのだ。今週1週間の天気予報から見て今日が最適だと思って今日はイムズの三菱地所アルティアムに伺うのである。
イムズは福岡市中央区天神に聳える1989年な開館した商業施設で32年の歴史に幕を閉じる。
正直言うと私にとってイムズは物心ついてからオープンした施設で天神という繁華街の中において私の中では「新参者」のイメージが未だにあったりする。
それでももう今月までなのだ。
思い出はたくさんと言うほどではないがある。
最上階のイムズホールでは古くはみうらじゅんのレコードジャケットのコレクションの展示。
お笑い芸人、スリムクラブの眞栄田さんのソロトークライブ。(ゲストに相方の内間さん)
春風亭一之輔さんの独演会。
その中にあるギャラリー。「三菱地所アルティアム」にも幾度も行かせていただいた。
一番古い記憶だと「明和電機 ショールーム」1998年らしい。おそらくそのくらいの時期から私は展示など見る様になったのだと思う。
展示スペースを「作品」と「商品」に分けていたと思う。斬新な展示だった。
そしてやたらと覚えているのは間島領一氏の「マジマート」が忘れられない。スーパーマーケットの様相で女性の胸部だけが精肉の様に発泡スチロールの皿にパッケージされてて矢鱈とインパクトが強かった。
さらに時が流れて諏訪敦氏の個展で圧倒的な写実絵画の凄みを感じた。展示されている場所がまさか商業施設内の決して広くないギャラリーとは思えないクオリティの展示が多かった。
そして様々な展示を越えて、今行われているのは最終の展示である。
過去にアルティアムで展示した作家7人による展示である。
「絶望を覆すことができない恋を正義とせよ、きみが、死んでも残る花。」と言うタイトル。
タイトルは参加作家の最果タヒ氏の詩の一部である。
今回参加されている作家の個展は過去私は見ていない。最後にして初めて知るというのも阿呆な私だと思う。
まず入り口に鹿児島陸さんの陶芸作品、その奥には山内三枝さんの映像作品。その隣には藩逸舟さんの作品の大きな消波ブロックがデカデカと鎮座していた。その場所柄を無視した作品に度肝を抜かれる。
そして通路の壁には最果タヒさんの詩が書かれ、言葉の強さもさることながら文字と文字の間に何かしかの感情を感じたりした。
奥には塩田千春さんの作品があり、靴や手紙に繋がれた赤い紐が無数にあり、それが一箇所に収斂されている。美しくもあり残酷な感じもする。ギャラリーの一番奥なので尚更「果て」感がある。
一つ一つ見ていくともっと語れると思うし見どころはそれだけではないのだが、8月末まであっているのでまた見に行こう。
「イムズはおわる。イズムはつづく。」