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かつて夫が推しだった私へ~無職の夫と私の記録~ #9
夫からA君へと「推し」を乗り換えた私は、A君の配信を聴けば聴くほどA君にのめり込んでいった。
ネイルをA君の『推しカラー』に変えたことや、A君の歌を無意識に口ずさんでいる私を見て、夫は不審に思ったのであろう。
機嫌の良い妻をニコニコ見守っていた夫の表情は、次第に暗くなっていった。
「いかん、また浮気と勘違いされる!!!」
私は大切な推し活を邪魔されまいと、作戦を練った。
それは小学3年生の長女を巻き込んでの『作戦』だった。
まず長女には、A君が所属するグループの動画や歌をみせ、興味をひかせた。
次に「ママはこの赤の人と黄色の人の声が好きでね~」とメンバー中の2人を軽くアピールする。(ちなみにA君は赤担当)
すると案の定、私に似て『好きな人と同じモノを好きになる』傾向がある長女は「私は赤の人と緑の人が好き!」とあっさり推し活に加担してくれた。
そこからはスムーズなもので
「ママ、ネイルに行くなら、また赤にしてよ~A君の色がいい!」
「ママ、今日はA君の配信ある?聴きたい!」
「ママ、A君はライブとかやってるの?生で観たい!」
…とこのように、長女の「A君推し」アピールが強くなったので、家庭内で堂々と推し活できるようになったのである。
そして、私は徐々に、夫の前でもA君について長女と談笑するようになった。
私「A君が使っている香水、メルカリでポイント購入したから、一緒に使おう」
長女「ママ、ありがとう!」
私「A君の画像を集めて、あなたのタブレットの壁紙にしてあげたよ」
長女「わーすごい!これでテンション上がる!」
私「A君、昨日、メンバーと行った旅行の動画、YouTubeでアップしてたよ」
長女「やった、ママ、一緒に観よう!」
おそらく夫からすると『娘の推し活に加担しているミーハーな母親』に見えていたのだろう。
その証拠に、夫は浮気を疑うことはなく、少し呆れている程度の反応だった。
「これでいい。全ては作戦どおり。」
家庭内の推し活を常習化できた私は、口に出してこう呟いていた。
そして今夜も『昨夜の配信、お疲れ様でした!今日も大好きです。』とアラフォー主婦らしからぬDMを、A君に送信した。
#10 に続く
※実在する推しA君の正体はこちら
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