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長男のサッカーの試合を見て思ったこと

我が家は小6男子、小3女子、年長男子の3人きょうだい。
長男は小6の4月からサッカーを始めました。
ここはサッカー大国静岡。
なので、3歳ごろからサッカーしている子もいるし、両親共にサッカー経験者という強者家庭の子もいます。
そんな中でサッカーを小6から始めるというのはだいぶ出遅れた感があります。(実際出遅れています)
ただ、長男は発達障害があり、ある程度成長するまではチームプレーが難しい子でした。

長男は0歳11ヶ月で保育園に入園。
1歳すぎたころには、保育士さんから「ちょっと発達で気になることがある」と言われていました。
言葉が出るのも遅かったし、とにかくこだわりが強い。
例えばスーパーでエスカレーターに乗るときに親が手助けすると、「イヤだったー!!」と泣き叫び、やり直しをさせられます。
つまりエスカレーターで降りて、昇るところからやり直し。
他にも保育園からの帰り道は「こっちの道がよかったー!」と暴れて、それも戻ってやり直し。
保育園に迎えに行くのはたいてい私なのですが「パパがよかったー!!」と号泣。
カードゲームなどで負けて、泣きながら暴れる。
これらのエピソードはまだかわいい方ですが、子育て初心者の私たち夫婦は結構参っていました。

そして小1の冬に10回ほど検査のために通院し、ついた診断名は自閉症スペクトラムと学習障害でした。
なので小2から小5までは支援級で過ごし、だいぶ脳も発達してきたのではないかとのことで小6から普通級に戻りました。

長男は勝ち負けにすごくこだわるし、仲間と協力することも難しいので、特に習い事もせず6年生になりました。
6年生になってすぐに、保育園からの友人に誘われてフットサルに行ったときにすごく楽しかった、とのことで、サッカーを習いたいと本人が言い出しました。
夫が探してきてくれたのは、スポ少やゴリゴリのサッカースクールではなく、週1で通うタイプで親への負担も少ない全国展開しているサッカースクールでした。
隣の家の子も通っているとのことで、体験からすぐに本申し込みをし、今に至ります。

長男はすっかりサッカーにハマり、ほぼ毎日放課後にボールを持って公園に行き、友達とサッカーするようになりました。家の中でもフェイントの練習をしたり、YouTubeを見ながら技の研究をしたり、急にサッカー少年になりました。

週1の練習は土曜日の午前中。
私は土曜日も仕事なので、サッカー関係は全て夫に任せています。試合を見たのも数回程度でした。

昨日は同じサッカースクールの隣の市のチーム2つと試合するとのことで、夫と2人で応援に行きました。
長男は緊張しながらも、全力でプレーしていました。果敢に攻め、ゴールを狙います。長男がボールを持ったときの「オレだオレだオレだー!!!」という感じを見て、思い出したことがありました。

長男が年長のときの運動会のことです。
リレーのときに1位で帰ってきたアンカーの子が「オレだオレだオレだー!!」という顔をしていたんです。つまり「オレが一番だ!オレを見ろ!」みたいな感じ。
そのときに長男のチームはバトンミスもあり、アンカーだった長男は、バトンをもらった時点で最下位。号泣しながら走り抜けてそのまま最下位でゴールしました。それはそれでドラマがあり、私だけでなく他の保護者ももらい泣きしてしまうほど。
でもそのときに私は「この長男が1位の子みたいに『オレだオレだオレだー!!』ってなることがあるんだろうか?」と思いました。

6年を経て、私は長男の「オレだオレだオレだー!!」を初めて見たように思います。
自分が輝ける場所を見つけたんだな、と思いました。
そしてチームメイトと笑い合う長男を見て、本当に嬉しくなりました。

12月に長男の中学校の制服の採寸のために、町の老舗の仕立て屋さんに初めて行きました。
採寸してもらっているときに、お店の人に
「中学ではどのぐらいの頻度でサッカーやる予定?」ときかれました。
「…?今のサッカースクールは週1ですが、6年生までなので、中学生になったら、他を探さなきゃいけないんです。ところで、サッカーやってるって言いましたっけ?」と怪訝な表情で私は返答。
すると「体触ればわかるよ!サッカーをどれぐらいの頻度でやるのかも、今後の成長を予想するために必要な情報だからね!」とお店の人。

サッカーを習い始めて、まだ数ヶ月なのに、ちゃんと長男の体は「サッカー体型」に変わっているんだ!
長男の努力が体を変えたんだ、と思って、私はこっそり涙ぐみました。

長男は家の中でもサッカーしたがります。
「マジでやめて!家具壊れるから!」と私は怒ります。でももうちょっと緩くしてあげてもいいのかもな。だってこんなに頑張っているんだし、夢中なんだから。夢中になれるものを見つけたんだから。


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