西欧で巫女というと、デルフォイの神託の巫女が思い浮かべられますが、イエス・キリストの時代に、イスラエルの神殿に仕えた巫女がいたのでしょうか?
『とある巫女』と筆者が思っている人物は、ドロレス・キャノン氏の著書『They Walked With Jesus』に、退行催眠で現れた「Abigail(アビゲイル)」と呼ばれる女性です。
アビゲイルは、神殿の祭司たちについて、そして神について、次のように語ります。
とても綺麗な言葉です。
新約聖書に、「神の国」についてのイエスの言葉があります。
おそらくアビゲイルは、ルカ伝のイエスの言葉を(この時点では、イエスと出会っておらず)伝え聞いていて、自分と同じ「神の国」の理解をしている人と思い、語ったものと思われます。
「犠牲によって」というのは、全焼の供犠とよばれるウシやヤギなどの生贄のことです。
「執り成しによって」といのは、祭司による執り成しのことです。
神殿は「聖なる空間」「聖なる地」であり、「神と人間の結合の場」であり、「神を直接心に招く」「神と直接交わる」場所だと、語っています。
このことから、アビゲイル =巫女という理解に、至っています。
一方、新約聖書では、イエスが神殿に対して、次のように語っています。
ここでは、神殿=肉体(人間) というとらえ方をしています。
一方、コリント人への第一の手紙では、神殿(=宮)について、こう書かれています。
この引用部分は、アビゲイルの最初の引用部分の「私たちが呼吸するたびに、・・・、聖なるものの本質をもっているのである。」と同じことを言っているように思えます。
ドロレス・キャノン氏の退行催眠は、アビゲイルがイエスに出会うまでしか行っておらず、その後のことはわかりません。
おそらく、アビゲイルがキリスト教の布教におおきくかかわっており、パウロにも影響を及ぼした気がします。