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アイス売る手ぬぐひで顔ぬぐうては/大野朱香

私が子どもの頃、海岸や公園には、よく、自転車のアイスキャンディー屋さんがいました。自転車の荷台の箱型のアイスボックスには、手作り感満載のアイスキャンディーが無包装のまま入っていたんですよ。アイスキャンディーの値段って、5円か10円くらいだったんじゃないかな~~~

そういえば、家で試験管に粉ジュースを入れてアイスキャンディーを作った記憶も・・・「かがく」という雑誌の付録で、試験管が手軽に家にあったあの時代・・・

当時のアイスキャンディー売りのおじさんは、ランニング型の白シャツにハーフパンツが定番スタイル。(そうそう、裸の大将放浪記の山下清さんを思い浮かべてください!)

この句で浮かんできたのは、そんな懐かしい昭和の情景です。但し、これはあくまでも私の経験から出てきたもの。
学生時代のアルバイトの景を思い浮かべる人もいるかもしれないし、我が子と一緒の休みが取れなくて、必死に働いている親の姿を思い浮かべる人もいるかもしれない。思い浮かべる景の背景は人様々だけど、心にずしりと感じるものは共有できる。
この句には、そんな魅力があるように思うのです。

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