Ed Sheeran(エド・シーラン)「÷(ディバイド)」
僕は小学校から高校の終わりまで、友達がやっているからというただの惰性で10年近くバスケットボールを続けた。
中学生時代のある練習試合、対戦相手に「鈴木・エドワード・〇〇」みたいな名前のハーフの子がいた。彼は当時の時点でも身長が180cmくらいあったような気がする。とにかくデカくて、周りのチームメイトからは「エド」と呼ばれていた。
日本語は普通に聞き取れて、カタコトではあるけど話せるという感じだった気がする。
試合の中で、エドくんがファールを受けてフリースローを打つことになった。
こちらのチームの選手のひざがエドくんのモモに入ってしまったみたいで、エドくんはかなり痛がりながらフリースローラインへと向かう。いわゆる「モモカン」というやつでこれを食らうとかなり痛い。
フリースローの直前、彼がまだ痛そうにしているのを見た審判が屈伸をするように促した。
審判をしていたのは向こうのコーチだったので、彼に向かって「エド、屈伸。」と言った。
するとエドくんは良い声で「ハイ!」と言ったまま微動だにしない。
「エド、屈伸!」
「ハイッ!」
良い返事が響く。
「エド、、屈伸しろ。」
「ハイッ!!!」
微動だにしない。
「エド屈伸!!!!!」
ベンチのみんなが声をかけ始めた。
「ハイッッ!!!!!!」
「エド!!くっしん!!!」
「ハアイッ!!!!!!!!!」
みんなの声に応えるようにエドくんの返事がどんどん大きくなっていってからは、そのやりとりが何回続いたのか、どんな形でそれが解決したかは覚えていない。ただただ両チームのベンチから大きな笑い声が上がっていたのを覚えている。
勘違いしないで欲しいが今回僕は、決してエドくんを馬鹿にしているわけではない。そもそもエドくんなどという呼び方をしているが、彼は高身長のごつい1個年上なのだから馬鹿にできるはずがない。
あれからもう7、8年も経っているなんて。
彼は今もバスケを続けているだろうか、きっとすごい選手になっている。もしまだに日本にいるのならば、きっともう屈伸できるようになっていることだろう。
Ed Sheeran(エド・シーラン)「÷(ディバイド)」
聞くたびに自分の中のポップミュージックの王道がこのアルバムにリセットされるような感覚がある。
アコースティクギターをベースに、どこを切り取っても安定感のある歌声がまさに「王道」であり、その王道感、安定感がたまらない。
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