七福神日誌42

十時起床。
眼科に行く。
実はここ半月ほど左目に影がかかってよくものが見えておらず、一向によくなならいので、一度診てもらうことにした。
午前中に通常の視力検査を受けて、午後から詳しく目の奥の写真を撮るなど。
結果、CSCという病気だと判明する。
聞くと、左目の網膜の中心に水がたまって視力に弊害がでている状態らしく、「まあわかりやすくいうと、カメラが水没してバグっている感じです」と先生から説明される。
これは一万人に一人の確率で発症する珍しい病気だそうで、発病の原因として考えられるのは、遺伝、睡眠不足、日常の過度な喫煙、過度な飲酒、塩分や糖分のとりすぎ、運動不足、長年のデスクワークによる眼精疲労、火傷や、ものを当てるなどの外部からの衝撃、太陽の見すぎ、あとはストレスなどですという話だった。
要するに医学的にもまだ原因が全然わかっていないので、処置としても空論的なものになります。ひとまずは体内の水の循環を促す薬をだすので、それを何ヵ月か飲んで、改善が見られなければ思いきってレーザーでたまった水を除去しましょうといわれ、念のため失明の可能性も聞いてみたが、別にすぐにそういうことになるような病気ではない、ただ、目の底にたまった水が光の屈折率を歪めるわけだから、要は水が勝手にレンズの働きをして、今後目の前にいる人が急に大きく見えたり小さく見えたりすることはあるかもしれない、とのこと。
それはサーカスみたいで少し楽しそうだけど、仕事もあるのでまいった、ちょっと変なお医者さんだったなと思いつつ、薬をもらって帰る。
家で夕方まで寝て、起きたら今日は本店に出勤だった妻が帰ってきたところ。
晩ご飯にスパゲッティの店にいこうといわれてすぐそこまで出かける。
からすみのペペロンチーノと若鳥のカルボナーラを注文する。
ビールも頼むと、メリークリスマスですねといって柚子絞りラガーというのを出してくれた。
満腹で帰宅。
翌日がいわゆるクリスマスで、朝起きたら新しい黒のトレーナーとピラミッド型のチョコレートの詰め合わせが居間に置いてある。
トレーナーを着て、七時に出発。
サワさんがインフルエンザにかかってしまったので、今日は朝からの通し。
クリスマスに串カツ屋は暇かなとやや油断していたが、ランチからしっかりお客が来て夜は満席。
若い恋人たちも案外多く、そうか、と嬉しい気持ちになったが、カップルを案内するたびにホールのスギさんが「クリスマスに串カツに連れてくる彼氏とは別れなさい」といって客を困らせていた。

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