ここだけの話ですよ。学級通信はコスパがいいです。~教師側のメリット~
コスパ、タイパ
最近、コスパやタイパってよく聞きます。ただ、「コスト下げているだけで、パフォーマンスは上がっているのか…?」と思うことも少なくありません。
学級通信書くのには時間も、体力も使います。コストを払いますが、対するパフォーマンスが非常に高いです。
ブルーオーシャン
周囲で、日刊で学級通信を出している人ってどのくらいいますか?積極的に学校の様子を伝えている方はどのくらいいますか?
かつて、36学級ある学校で勤めていましたが、書いているのは私だけでした。
誰もしないことをすると、ハードルが下がっているので、相対的にものすごく感謝されます。
つまり、ブルーオーシャンなんです。
学級通信自体はありふれた実践ですし、先行例も多いですが、目の前の子どもや保護者からしてみればそんなことは何の関係もありません。
ただ、自分たちのことを書いてくれているかどうかが重要なのですから。
逆にいえば、みんなが書いている状態ではハードルが上がります。
誰も書いていない今がチャンスです。お買い得です。
かつて、高校の教員で学級通信(というより教科通信)を書いている方がいましたが、ものすごく好評でした。
思春期にもなると、学校のことって話してくれないんですよね。
今回は、教師側のメリットを書き出してみます。
メリット①子どもを見る目が変わる
明らかにいいところを見るようになります。だって、だめなところばかり書けないじゃないですか。
時には、「物申す」ことを書くこともあります。
褒めて褒めて褒めまくる。そうした信頼関係を築いた上で、書くことならあるでしょう。子どもの成長を思い、心を鬼にして書くこともあります。
ただし、いつも以上に文章を書くのに気を使いますし、言葉を選ぶので疲れます。
いいことを書く方が簡単です。気持ちよく書けますし、子どもたちの喜ぶ顔が浮かびます。
「○○さんが提出されたプリントを整頓してくれていました。」と書いたとします。一人書いたら全員の名前を書いてあげたくなるものです。
そうなったら、必死です。全員を何とか褒めようと目を凝らします。
こうして、教師の力量が上がっていくのだと思います。
追い込まれないとなかなかできません。
メリット②文章力が上がる
読まれる文章を書いているという意識一つで、文章力は飛躍的に向上します。
私は、どこかで読んだ食卓で話題になるような学級通信を目指していました。
学級通信にまで書くような言葉は、無意識のうちに普段からよく使っている言葉です。
こうした言葉を子どもたちはよく覚えています。聞くだけでなく、文字情報として目からも吸収した子どもたちは、さらに強化して覚えます。
こうして、学級の「言葉」となり、さらには「インフラ」になっていきます。
時には、配ってもあくびしながら読まれることもあります。
机の奥の方から出てくることもあります。一生懸命書いたのに…。となることもあります。
しかし、そうした経験によって、文章が洗練されていくのです。子どもの反応は素直です。
noteだって、スキまでしてくれる人は限られていますし、コメントが一つつけば飛びあがって喜びます。(ありがとうございます!)
比べて、学級通信は書いたそばから素直な反応をもらえるのです。こんなありがたいことはありません。商業誌なら売れずに廃刊するのみですから。
メリット③記録が残る
教師自身の記録として、こんなに等身大な文章はなかなか残っていません。
初任の頃の学級通信を読み返すとびっくりします。荒削りで、泥臭くて、必死な自分がいました。もちろん、今の方が上手く授業できるでしょうし、文章もマシになっているでしょうし、時間もかからないでしょう。
でも、自分自身を尊敬するくらい頑張っていました。子どもたちの笑顔の写真を見ると、一瞬であの頃に戻れます。
そうして得たエネルギーを、また今の子たちに還元していこう!となるきっかけにもなります。
学級の記録としても、非常に有効です。
詳しくはななにんさんの記事をぜひご一読ください。
メリット④早く帰れる
断言します。書いた方が早く帰れます。
明らかにトラブルが減りますから。
学級通信でいいところを見続け、伝え続けることによって、子ども同士のトラブルが減ります。
それよりも、保護者からの信頼を得られることの方が大きなメリットです。
学校の様子って、なかなか家庭には伝わりません。
隠しているわけではなくても、伝わってなければブラックボックスだと思われても仕方ありません。
最初に書いた通り、他に学級通信を出している人がいないからこそ、学校の様子を伝えてくれる担任には感謝の念がより強く沸きます。信頼関係を築きやすいとも言えます。
すると、クレームが減ります。対応することに割くマイナスな時間を減らし、プラスの時間にすることができます。
メリット⑤仲間と連帯できる
SNSのおかげで、全国の先生方と一瞬で繋がることができるようになりました。
その中で、学級通信のコミュニティ一つに入ってみてください。そこには仲間がいます。周囲にはなかなかいないからこそ、その連帯は強くなります。
もちろん、それは勤務している学校でも同様です。他の先生の通信を読むこともすごく勉強になります。
近隣の学校で「学級通信サークル」を結成したという例も聞いたことがあります。
自分の「得意」で人と繋がれるのって、とても豊かです。教師人生がさらに楽しくなります。
もっと言えば、この教育サークル「まほろば」もスタートは学級通信でした。何がどこに繋がるかなんて誰にも分かりません。
きっかけは何でもいいと思います。
打算的だっていいじゃないですか。子どものためになるのであれば。
コストを払わず、時間も使わずに成果を上げるというのは無理です。子どもにもそう教えますよね。
一生懸命に板書計画を立てたり、漢字の細かいところまで丸付けをしたりということに時間を使うよりは学級通信の方がパフォーマンスがいいです。オススメです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?