見出し画像

Liam Gallagher & John Squire (2024)

円熟とは程遠いフレッシュな出来栄え。彼らは我々の期待をポジティブに裏切ってくれた。リピートする毎に味わいが増す。
控えに言って、、、最高だ!

彼ら二人のコラボレーションに対する見方は、オアシスの再結成を契機に大きく変わった。もし再結成がなかったなら、ファンはいつまでもオアシスやローゼスの残響を求め続けたであろう。これは本当に素晴らしい出来栄え。ロック史に燦然と輝く名盤を残してきた偉大なマンキュニアン。否応にも次に期待してしまう。現にリアムは次のアルバムを示唆していた。

再結成の理由には諸説あるが、僕自身はこのアルバムも一因でないかと考えている。ノエルは平生を装いつつも、嫉妬まみれに幾度もリピートしたに違いない。リアムの輝きは後期のオアシスに比肩するほどだ。それくらい素晴らしい出来栄えである。オアシスのあのスケール感を求めるならノエルに頼んでくれ。

稀代のボーカリストと名ギターリストの掛け合いは何とも魅力的である。永遠のギター小僧ジョンスクワイアは本作でボーカル・リアムギャラガーを意識しソングライティングしたが、ブルースを基調とし60年代的ブリティッシュロック&モッズビート、そしてジミーペイジ的vibesでギターをかき鳴らしたことに意義がある。彼のギターは派手さを残しつつも、妖艶で英国の伝統性と気品さを漂わせるとこが憎い。

Johnのサイン入り!



”Just Another Rainbow”や”Mars to Liverpool”ではメロウで甘美なサイケロックを示し、我々の期待に応えてみせた。

そして白眉は”Mother Nature’s Song”。
オアシスとローゼスの融合だ。スパイスにジミヘンを少々。現代版”May This Be Love”とでも言えよう、未だ見ぬ浄土の世界へ誘われる。

全体を通して粒揃いで見事に足並みを揃えた。そしてリアムの声が楽曲の良さを引き立てる。ジョンは長い年月をかけてアイデアを温めていたに違いない。決して余力で飛ぼうとしなかった。

無垢なロックミュージックは大きな幸福感をもたらす。ロックはもはやメインストリームでなくなったが、決して消えることはない。

ロンドンの地下鉄構内にて


2024年、ギャラガー兄弟は再び結束を誓った。影にはジョンスクワイアの貢献があったに違いない。こんなアルバム出されたら、ノエルじゃなくても焦るよ。

これから先もずっと聴き続けたい隠れた一枚!

いいなと思ったら応援しよう!