「怪物」をみて
映画「怪物」を見てきた。事前情報はほぼ何も入れずに見に行ってみた。
いろいろなことを考えさせられるとても良い映画だった。
まだ見ていない人もいるかと思うのでネタバレは極力せずに書いていこう。
まず、この映画はストーリーとしてとても面白い。同じ時間軸を別の視点から繰り返し、それによってだんだんと真実が明らかになっていく。
ミステリーのようなヒューマンドラマ(ヒューマンドラマってどんなものだろう)というのが適切ではないだろうか。
見ていくたびに先が気になり、真実が明らかになるたびに、それまで見ていたものが物事をいかに一側面から見ているにすぎなかったのかということに恐怖すら感じる。
そのストーリーに合わせて、様々な社会的テーマが扱われた映画でもある。
体罰、DV、いじめ、同性愛、などなど非常にいろいろなテーマについての要素を持つ映画だ。
徐々にそれぞれの問題が絡み合い、複雑化していく。
実際の社会もそうなのではないか。
物事というのはそれほど単純ではない。
ある問題の裏には別の問題があり、さらにその近くには別の問題がある。
重要なのはそれが表出しているかどうかだ。
目の前に表れてこないと認知しずらい。
この映画は日常の中で表出しにくい複雑化された状態を見事にスクリーンの中に収めたといえるのではないか。
なんとも抽象的な感想になってしまったがここまでにしよう。