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教室の掲示物の価値

コロナになった息子の症状が改善してきました。
油断はできないですが、少しずつ元のような生活に近づいています。
4日間しかない今週は、火〜木を看病のために休みとして、3連休と合わせて6連休となってしまいます。流石に飽きます。仕事したい熱がやや高くなっているような…


そんな状況ですが、昨日は地区の同好会のオンライン研修会でした。
今回は「掲示物」というテーマを掲げ、1時間ほど勉強会に参加しました。

教室の掲示物には、担任の先生の指導観が現れます。どのようなことに価値を置いているか、何を大切にしているかが分かります。年度末が近づいているこの時期は、デジカメやタブレットを片手に各教室の掲示物を見に行くべきだと思います。いつか、自分でもやってみようと思う掲示物に出会えるかもしれません。
そんな話をしながら、自分の過去の掲示物を思い出し、指導観を振り返ってみました。

教室前面=シンプル・イズ・ベスト

教室環境の中で、前面をシンプルにすることはよく言われることだと思います。子どもたちが教師に視線を送る時、その後ろ側にある情報は少ない方が良いです。本当に気が散って仕方ない…という子どももいます。とにかくシンプル。校訓や学校教育目標程度でOKかと。

教室側面=お便り、組織表、係の掲示物

教室の側面は、学級の機能を重視した掲示物が占めます。

🔶お便り
学校だより・学年だより・保健だより・食育だよりを掲示します。
この先の予定を確認することができる点が最大のメリットです。学校だよりや学年だよりはアプリを通してデジタル配付している学校が多いですが、教室に貼るメリットもあるので、これは欠かさないかなと思います。なお、保健だよりや食育だよりは更新の頻度が低いことがあります。いつまでも古い情報を貼っておくのもよくないので、無理に掲示スペースを確保する必要はないとも思っています。

🔶組織表
組織表を掲示するメリットは「仕事の見える化」です。ある仕事に対して、誰が担当している仕事かが分かる状態にしています。そうすると、子どもたちも自分の仕事に責任感を感じますし、仮に誰かが欠席した状態ならフォローする子が出てくるかもしれないです。
・教科リーダー(中学校)
・委員会(高学年〜中学校)
・給食当番
・掃除当番
・係活動

🔶係の掲示物
係活動の掲示物は子どもの自由度が高まる掲示物となります。よくある形としては、教師がテンプレートを用意して子どもが作成するというものです。「係名・メンバー・仕事内容や分担(あとは写真)」が主な内容かと思います。これに加えて、仕事をしたらシールを貼るために、表やカレンダーが貼り付いてる場合もあります。用紙が同じ大きさに揃っているので、掲示した際にきれいに揃って見た目が良くなります。
また、画用紙のようなものに自由に書かせる方法もあります。用紙の形自体を工夫するということができます。例えば、ポスト・郵便係なら画用紙をポストの形に切り、その中に必要な情報を書き入れます。子どもの工夫が見られて面白いですが、掲示するときは配慮が必要です。形も大きさもバラバラになるので、そのこと自体を楽しむことができると面白いと思います。


教室背面=1年間の歩みを残す

教室の背面は大きなスペースが取れる学級が多いかと思います。私は「クラスの1年間の歩みを残すような掲示物」が好きです。集合写真や賞状を貼ることはもちろん、その他の掲示物も作って残します。日常生活のスナップ写真や行事の写真を印刷し、画用紙に貼りながら手書きで努力が成長を表現する言葉を書き入れます。ここでのポイントは、写真をフリーハンドで切りながら貼るということです。長方形のようなきれいな状態で敷き詰めるように貼るのではなく、自由度が高い状態で貼ります。昔の卒業アルバムのイメージです。(30歳以上の方は分かるはず・・・)
4月や5月はスペースに対して掲示物が少ないので、寂しい雰囲気になりがちですが、次第に掲示物(思い出)が増えていくので、子どもたちにとってもお気に入りの場所に変わっています。昔の写真を見て懐かしい気持ちを膨らめたり、成長を感じたりすることもあるでしょう。
カウントアップという意味合いが強いです。学級として歩んできたこれまでの日々を大事にしたいという思いが強く出ています。


教室外のスペースを活用する

クラスの掲示物は主に自分の教室の近くにあるでしょう。そのほとんどが教室の内側、一部が外側に現れます。私は、あえて教室から離れたところに掲示する掲示物のメリットも提案したいです。例えば、学習において作成した成果物や係活動で作ったクイズや豆知識のような掲示物を、あえて教室から離れた場所に掲示します。おすすめの場所は、ある程度人通りが多いところです。(もちろん、許可をもらいますし、時間が経ったらはずします。)

この方法の良さは、掲示物を見た先生や他学年の子どもたちがクラスの子の努力を知ることができる点です。そして、その中の一部が子どもたちに良いフィードバックとして返ってきます。例えばAさんが作成した掲示物に対して、他学年の担任の先生がたまたまAさんに会った時に「Aさん、〜についてよく調べていたね。すごいね。」と褒めてくださる可能性があります。つまり、教室外のスペースを活用して掲示するということは、子どもたちが認められたり、褒めてもらったりする機会を増やす可能性があるということです。その間、担任として特別に行うことはありません。ローコスト、ハイリターンの良さです。


ポジティブな振り返りを視覚化したい

昨日の研修会で最後に話題になったことは「振り返りの可視化」です。小学校では帰りの会に1日の振り返りをすることが多いです。生活部から出ている月の目標、クラスの目標、班の目標…目標が多すぎないですか?とも思いましたが、それだけ振り返りの機会が多いのも特徴です。せっかく振り返りをするなら、「〜が良かった。」「〜が素敵だった。」「〜をもっと続けたい。」と、ポジティブな内容を振り返ることができると良いです。また、カードに書いたり、掲示物にしたりするならなおさらです。
子どもたちの中で「ポジティブな内容の振り返りの力」を育てていくことが重要です。そのためには、担任として子どもたちに語りかける言葉も重要ですし、授業における振り返りも効果的に活用すると良いと思います。


振り返ってみると、掲示物の話題は自分自身の指導観とは切っても切れない関係となっています。小学校では担任が教室にいる時間が多いので、あたたかい雰囲気を醸し出すような掲示物を子どもたちと一緒に作っていくことができると良いと思います。また、中学校では担任が教室にいる時間がほとんどないので、子どもの自主性が発揮できるような掲示物の環境が重要です。

教師の働き方改革・効率よく働くことが叫ばれている教育界。
だからって、「掲示物0」というクラスはありません。子どもたちが安心して、過ごしやすく感じる教室環境を作るために、これからも考え続けるべきテーマだと振り返りながら昨日の研究会を終えました。

とにかく、今言えることは一つ。
カメラを持って、教室巡りをしましょう!


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