見出し画像

考えてプレーするとは(ラグビー)

こんにちは。あはとです!
今回は今までの人生の中で最も長く、小学生から大学生までの約15年間続けたラグビーについて書きます。
また、これは全スポーツに通ずるものがあると思うので、ラグビー未経験者でも理解できる内容を意識して書いていきます。

ずっと進学校にいたということもありますが、ラグビーをしていてよく耳にしたのは「頭を使って考えてプレーしろ」という言葉です。
しかし、「何を」「どのように」考えてプレーすればいいのかを教えてくれる指導者はいませんでした(一流の指導者がいる環境にいたことがないからかもしれません)。
そして僕自身は一流のプレイヤーではないですが、大学ラグビー部での主将経験があり、スキル面に限定すればある程度のレベルにあると考えています。そこで長年経験することでたどり着いた僕なりのプレーをするために何を考えればいいのかの一部をまとめてみようと思います。

学生ラガーマンが読んで参考にしてくれたら一番うれしいですね!

前提の説明

①経歴
僕自身のポジションはずっとBKで中学生の初めはSH(スクラムハーフ)をしていましたが、その後は基本チームの司令塔であるSO(スタンドオフ)。そして大学生の最後の方はCTB(センター)もしていました。
小さいころからずっと、体が大きくない、足が速くない、きれのあるステップを踏めるような高い身体能力もないのでひと際目立つようなプレーは基本的にはできませんでした。では何を武器に戦っていたかというと基礎的なスキルの高さ(特にパスなどのハンドリングスキル)と一つ一つのプレーでの判断の速さや正確性です。高校生までは経験則からなんとなくで選択していたプレーを大学ではできるだけ体系的に捉え、安定して精度の高いプレーができるように努力しました。
なので今回の記事は主に判断、そしてそこに付随するスキルの話です。

②状況
今回の内容はわかりやすさのため攻撃のプレー選択を想定しています。
ラグビーは後ろにしかパスを出せないので面になっている相手のDFに対して繰り返し攻撃をすること(フェイズを重ねる)によって数的有利や穴を作り、突破をするのが基本になります。
そのためプレー選択の考え方としてはA.数フェイズを考慮した選択 B.各フェイズにおける選択 C.各局面での選択 の3つがあると個人的に考えています。

A.数フェイズを考慮した選択
最近のラグビーは発展してきているのでここはチームの戦術としてきちんと用意されていると思います。SOなどの司令塔が選択することが主ですが、選手全員が理解しておくことが必要です。
経験者でもわかってない人が多いのですが、詰将棋の3手詰めや5手詰めなどのイメージを持ってもらえるとわかりやすいと思います。

B.各フェイズにおける選択
ここもある程度チームの戦術に落とし込まれていると思いますが、相手の状況を見てそのフェイズでできるだけボールを前に進める、もしくは突破することを考えるという意味で使っています。

C.各局面での選択
ここは1対1や2対1、3対2などの状況を指しています。1つのフェイズの中でも相手との接点が近づいた場面であり、基本的な練習での場面と一致するはずです。

今回の内容は主にCの場面の話です。AからCの場面に移行するにつれてチームから個人の要素が大きくなるためです。
ただ、AやBの場面はチームの戦術として組み込まれているのでそれを考慮した上でCが必要になります。また、Cの場面で有利な状況を作り出すために戦術が存在しているのでより最適なプレー選択をするためにはここの理解度が重要となります。
僕はこのブログを読んで勉強しました。

さて、やっと本題に入ります。
プレーの実行までの段階を4つにわけ、考えていたことや練習で意識していたことについて説明していきます。

①多くの選択肢をもつ

これはほぼ前段階の話ですが、例えば試合中のある場面でボールをもらったと想定した時、あなたはいくつの選択肢が思い浮かびますか?という話です。当たり前のことなんですが、選択肢を知らないことには実行はできません。また、選択肢を知らないために判断の場面を見過ごしてるかもしれません。しかし、周りの選手を見ているとこの部分を意識している人、さらに増やすための努力をしている人も含めると少なかったように感じます。
この部分は練習でいろいろなプレーを試したり、プロの試合や周りの人のプレーを見るなど練習外でも取り組めます。できなくてもフェイクとして使える可能性もあるので知っておくだけで十分意味があると思います。

②選択肢を把握

実際のプレー中にはどれだけ早く選択肢を把握できるかが重要になります。あらゆる場面で最低でも2つは選択肢を頭に浮かべることができるようにしていました(もちろん自分が高確率で実行できる選択肢の数で、できないものは含みません)。そのために事前に①で把握している選択肢を頭の中で整理しておくことと練習では状況→選択肢までの思考回路を速くすることを意識していました。

③明確な判断基準をもつ

実際にどの選択肢を選ぶのかは基本的に2択にするようにしていました。そのため相手がどのタイミングでどのように動いたら自分はどっちの選択肢を取るのかを決めていました。
これも事前にある程度定めることはできますし、練習ではそれを繰り返すことでタイミングや基準を微修正していました。昔からやっているので基本的なプレーに関してはもともと体が勝手に動くレベルで判断出来るのですが、すべてのプレーで同じように見る→判断までのスピードを速めることを意識して練習しました。
イメージとしてはじゃんけんの後出しで相手がグーを出したのを見て自分はパーを出すと考えるまでのスピードを速める感じです。

④プレーを実行に移す

判断ができればあとは正確に実行に移すだけです。ここから先は自分のすると決めたプレーをどれだけ速く正確に実行できるかが重要になります。練習では判断→プレーの実行への移行の速度とプレー自体の速度を速くすることを意識してました。
同じようにじゃんけんにたとえると③の場面でのパーを出すという判断から体が動き始めるまでの速度と元の形から手がパーの形を作るまでの速度を速くするといった感じです。

特に後者ではハンドリングなどの基礎的なスキルがどれだけ大事かがわかると思います。プレーの実行に時間がかかってしまう場合判断のタイミングをさらに早くする必要があるためその分判断に使う時間は短くなってしまいます。

まとめ

ここまで書きましたが、考えてプレーするいうのは事前に考えておいてプレー中にそれを的確に処理する方が近いのかもしれません。判断の場面は数多くあるので1度ボールを持ったら②~④を連続して行います。そしてラグビーはコンタクトなどの激しいプレーの状況下でこれを実行していかなければなりませんが、そこが面白いところですね!
イメージとしては事前に自分なりのプレーのアルゴリズムを作成し、試合の状況という情報を実行するプレーという情報に変換する処理その情報を実際に体を動かすことに変換する処理、そして実際に体を動かすことにかかる処理の3つを練習によって短くしていくといった感じです。

これを捉えられるようになってからは練習の目的意識の向上や自主的な設定ができるようになったためプレイヤーとしてのレベルも一気に上がったように感じます。

抽象度が高いのでわかりづらかったかもしれませんが、少しでも参考にしていただけると嬉しいです!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?