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写真と紙

写真の展示会、展覧会、ギャラリーに行くと写真をプリントすることの悩ましさが増します。
以前ギャラリーで満開の桜の木を美濃和紙にプリントした写真を見て、紙の表面の粗い感じが光沢紙の写真以上に生々しかった覚えがあります。
富士フイルムがプリントに力をいれる意味がよく理解できました。
僕もたまにL版とかでプリントしますが、その写真の愛おしさが格段に上がります。
物として存在する尊さがあるような気がします。
データとしての写真とはまた違ったツボが刺激されます。
同じプリントした写真でもサイズによって違った魅力が出てくるから不思議です。
今、僕の部屋にはなぜだか忘れてしまいましたが、夜明けの街から飛び立とうする気球の写真が額に入れて飾ってあります。
その写真を見ると始発のJRで三重県に向かったあの朝の風景を思い出します。
季節は2月始めの頃だったかな?駅に降り立った直後はまだ月が輝いていて、歩いていると次第に夜が明けてくる。
調度歩いて向かう先が東の方角だったので、段々とオレンジ色に染まる街の風景を追いかけるように目的地に向かうと正面の坂の上から気球が顔を出す。
人生で初めての瞬間でした。そんな瞬間を切り取った1枚でした。
あれから行けてないから余計に思い出深いです。

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