胚培養士たに

はじめまして胚培養士として不妊治療施設で働いています。 少しでも皆様の力になれるとうれ…

胚培養士たに

はじめまして胚培養士として不妊治療施設で働いています。 少しでも皆様の力になれるとうれしいです よろしくお願いいたします。

最近の記事

【受精】体外受精;媒精;ふりかけ法

今回は体外受精(ふりかけ法)に関して書いていきます。 体外受精は卵子と精子を一緒に培養する方法ですが、クリニックによって細かいやり方や基準が異なることが多いです。 体外受精(ふりかけ法)とは?体外受精は精子と卵子とともに培養して受精卵を得る方法です。 施設によって異なりますが 培養するときの精子濃度は5〜20万/mlくらい 受精率は50〜80%くらいだとおもいます。 体外受精媒精時の濃度 精子濃度は5〜20万/mlくらいで施設によって異なります。 精子数が少ないと受精率

    • 【体外受精】受精にかんして

      前回までは採卵に関して書かせていただきました。今回は受精に関して書い行きたいと思います。よろしくお願いいたします 受精受精とは卵子と精子が出会うこと。と言われていますが。実際には出会ったら全てが受精できるわけはありません。非常に多くの工程を踏んで受精します。 簡単な受精の流れ精子が卵子の周りの卵丘細胞を進んで精子の透明帯にたどり着く。 透明帯を通過して卵子と精子が接着。その後に精子が卵子内に取り込まれる。 卵子が第二極体を放出する 卵子由来の核(雌性前核)と精子由来

      • 【体外受精】採卵準備 (培養士)

        採卵を行う前に十分に準備を行ってから採卵を行います。 ※実施する施設により違いがあります。あくまでも私の経験の紹介となるのでご了承ください。 準備卵子は温度やpH、光によってダメージを受けます。 また、菌やゴミによってもダメージを負います。 なるべくダメージを減らすために使う器具、培養液等は前もって準備しておきます。また、採卵の情報なども前もって確認し、必要があれば医師へ聞きに行くことも多いです。 卵子や精子へのダメージを極力減らすために一つ一つの準備の意義を理解して準備を

        • 【体外受精】採卵 (精子)

          今回は精子側から採卵に関して書いていきたいと思います。 ※患者様の状態やクリニック、病院により違いがあります。あくまでも私の経験の紹介となるのでご了承ください。また、重度の男性不妊場合は当てはまらない可能性がございます。 精子の準備方法 精子の準備方法は主に3通りです。 当日にクリニックの採精室で採精を行う。 自宅で採精を行いクリニックに持ち込む 前もって精子を凍結しておく(精子凍結) ※昨今のコロナの影響で採精質の使用を中止、または制限しているクリニックもあり

        【受精】体外受精;媒精;ふりかけ法

          採卵;卵子の回収と検卵

          ※採卵の方法はかなりクリニックや病院による方法の違いがあります。あくまでも私の経験の紹介となるので本記事でトラブルが起きたとしても保証することはできませんのでご了承ください。 採卵とは?採卵(Oocyte Pick UP;OPU)とは女性の体内で育った卵胞から卵子を回収する方法です。 本来は体内に排卵するはずの卵子を排卵する前に卵胞に針を刺して吸引して卵子を回収します。 採卵前卵胞の発育 採卵前をするには卵胞が発育している必要があります。卵胞の刺激方法は医師と話して決め

          採卵;卵子の回収と検卵

          培養士のお仕事(おおまかな)

          お読みくださりありがとうございます。 今回は体外受精 高度生殖補助医療(Assisted Reproductive Technology:ART)の簡単な説明させていただきます。 ※私の経験に沿った内容となっているため施設によって異なる点もあると思いますがご了承ください よろしくお願いします 培養士の仕事採卵・精子調整 受精作業(体外受精・顕微授精) 胚の培養と観察 胚移植 胚の凍結・融解 他にも仕事がありますが、これらの仕事がメインとなってきます。 採卵(Oocyt

          培養士のお仕事(おおまかな)

          初めまして胚培養士たにです

          初めまして 初めまして胚培養士としてお仕事させていただいております。 不妊治療のいろいろな情報の収集ともに発信にもチャレンジしてみたいと思い始めさせていただきました。 注意点 記載しているのはあくまでも胚培養士です。医師ではありません。 内容はあくまでも診察でも診断でもない個人の意見のとなります。 治療でトラブルが起きてもそれを保証したり、責任を取ることはできません。 また、培養方法はクリニックによってかなり異なります。 私の書いた内容が培養の方針や培養方法と異なるこ

          初めまして胚培養士たにです