ショートショート 「カレンダーの印」
朝日がまばゆい部屋で、
ぼくは今年一年のスケジュールを考えた。
まずは連休を探して、旅行先を記してゆく。
それが終わると、大切な人の誕生日に印をつけるのだが、
サインペンが止まった。
どうしよう・・・・・・。
一昨年は印をしていたけれど、何もなく過ぎていった。
昨年は一応、印だけは付けていた。
そろそろ空白にしてしまうべきだった。
同じように、捨ててしまわなければならないものがあった。
①聴かせたいCD3枚
②読ませたい小説2冊
③観てほしい映画1本
④連れて行きたいレストラン3軒
⑤出そうと思っていた手紙2通
ぼくは考えた末に、次の結論を出した。
今年1年だけ、置いておこう。