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パトリシオ・グスマン監督作品
アップリンク京都にて。
それまで名前も知らなかった監督作品。
「光のノスタルジア」
なぜか、急に行きたくなった。
乾いた砂漠に世界中の天文学者が集まり、大きな天文台があちこちにある。
アカタマ砂漠、名の通り赤茶色だ。
一方、過去のピノチェト政権での犠牲者が地中に埋まっているという。
チリという遠い国の話を、いきなり間近に感じる。
チリで今すぐ思い浮かぶのは、チリ産の鮭、薬が撒かれた海で育てられているから私は買わないのだ。
あとは、ベンセレーモス、ベンセレーモス、の歌だ。
うたごえ運動の中で、連帯する歌だったが、当時チリの政治状況を詳しく知っていた訳ではなかった。
社会主義を掲げるアジェンデ政権が、親米右派ピノチェト率いる軍事クーデターで倒されたのが、1973年9月11日。多くの人々が拘束され、虐殺された人や行方不明者がいる。
広く赤い砂漠で、遺骨を探し続ける数人の女性たちの姿と声。
天文学者と砂漠を途方もなくさ迷う女性たち、切実さ悲しみや追憶の質と規模は違うが同じ砂漠にいる。
金属、岩、石、砂、粒子、、、、、
湿度の多い日本と比べて、なんと乾いた土地なのか。
「別れを告げない」は韓国のハンガンさんがチェジュド4・3事件をテーマにした作品だが(まだ読んでない)、チリの広大な砂漠で遺骨や遺留品を探す人も、別れを告げないのだ。
沢山の色と大きさの光の粒子が空間を舞いつづけていた。
※
写真は、田中泯さんの公演後に買ったカボチャ、の煮物。甘くておいしかった。カボチャは中南米が原産か。