![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83896898/rectangle_large_type_2_ab2ba0b32f341ef572e1cb85f92cb978.jpeg?width=1200)
「関口知宏のヨーロッパ鉄道の旅」シリーズによせて(ブログより再録その2)
今週の午前中、NHKBSプレミアムで再放送中の「関口知宏のヨーロッパ鉄道の旅」シリーズを見ています。
国内でJRの路線全線を乗り継いだり、中国の鉄道を長大なルートで巡ったりと、様々な鉄道の旅を私たちに見せてくれている関口知宏さん。ヨーロッパもイギリスを皮切りに、ドイツ、スペイン、イタリア、ギリシャ、クロアチアなどなど様々な国を鉄道で旅しています。
2015年が「関口知宏のヨーロッパ鉄道の旅」と銘打った初回放送で、再放送を重ねてますので、各回とも2度くらいは見ているのですが、細かい内容は覚えていないので、大いに楽しめています。
今日放送の旅先はオーストリア。
ハーブ園で肌に良いクリームを試したり、
農家でヤギのチーズ作りを見学したり、
電車で出会った幼い女の子の即興の歌をもとに歌作りをしたり、
カフェで出会った貴族の末裔に、元住んでいた城を案内してもらったり、
ウィーン西駅でシリアなどからの沢山の難民を受け入れる様子を見たり、
自家製のカボチャオイルを使った料理を振舞ってもらったり、
深い滑り台を降りて岩塩の採掘坑を見学したり…
「多くの人が、拒絶ではなく『コンタクト』を選ぶ」と関口さんが表現する、オーストリアの国民性が伝わってくる、素敵な旅でした。
この「ヨーロッパ鉄道の旅」シリーズの中で、私にとってとりわけ印象深いのは、今週金曜日午前中に再放送されるポルトガルの回です。
閉鎖予定のブログ(ウェブリブログ)で、2019年10月17日に、「日めくり版」を見たときの感想を「秋の調べはメランコリック」と題して載せており、比較的多くの方に読んでいただいているので、このnoteに再録します。
以下 ブログからの再録
俳優の関口知宏さんがヨーロッパ各国を鉄道で旅するNHK BSの番組の日めくり版が、この夏から秋にかけて、平日朝、再放送されています。
今はイギリスの旅を放送していますが、昨日放映の「ポルトガル編 9日目」の最後に流れた、関口さん自身の作詞作曲による、ファド調の歌が、何とも心に残る素敵なものだったので、ご紹介します。
訪秋
作詞・作曲・演奏・歌 関口知宏
誰もいつかは歳をとるものよ
周りは私を笑うでしょうね
“秋”の年頃を迎えたこの私の
やつれた身なりや仕草を見て
今やもう古ぼけた 私の過去の栄光を聞いて
でも人生ってそういうものよ
時を重ねなければわからないことほど
他人には滑稽に映るの
私の人生の喜びが他人にわかるくらいなら
むしろ私の人生は貧しかったのよ
だからそのまま笑わせてあげるの 私を笑う人たちを
彼らはまだ秋を知らないのだから
あなたにはまだ物哀しいだけの秋の歌を
あなたに歌ってあげましょう
それでいいのよ
まだ無邪気なあなたの人生が実り多きことを願って
あなたに歌ってあげましょう
なぜならあなたは 私の遠い過去なのだから
動画
https://www.youtube.com/watch?v=R_yqIuS3B30
いやはや、ヨーロッパだけでなく、国内や中国の旅を「鉄道の旅」シリーズでみてきて、関口知宏さんの、感性の豊かさや人間性の深さ、それでいて飾り気のない親しみやすさ、絵心・歌心の見事さに感心してきましたが、この歌は、格別、心に沁みます。
関口さんは、私より若干年下のはずですが、感覚も表現も本当に大人ですね。
2016年の本放送でも見たと思うのですが、今回、改めて見て(聴いて)、この歌に衝撃を受けました。
ポルトガルという国の土地柄に彼が抱いた感想に、人生や、日本への想いも重ねられた、奥深い歌です。
従来通り、右肩上がり一直線を目指すのでは立ち行かなくなった現代社会の、多くの人に味わっていただきたいです。
以上 再録終わり
関口さん。最近お見かけしませんが、お元気でおられるのでしょうか。
是非また紀行番組に取り組んでいただきたいものです。