8人の女たち 宝塚と高校野球の共通点
昨日まで大阪のシアタードラマシティで上演されていたお芝居「8人の女たち」をアーカイブ配信で観ました。
8名の出演者全員が元宝塚のトップスターまたはトップ娘役という華やかな布陣でのミステリー劇です。フランスの劇作家ロベール・トマ作の戯曲で、日本でも2004年を皮切りにたびたび上演されています。
ストーリーに触れると即ネタバレになってしまうので、あらすじ等は割愛します。
温かく佇みつつ要所をぴしりと締める久世、真琴の上級生組、中心となって活躍する湖月・水の中堅組、臆することなく、のびのび演技する珠城と元娘役陣、夢咲、蘭乃、花乃の下級生組。
世代は違えど、元宝塚トップスターという土壌を共有する彼女たちならではの、丁々発止のやり取りを繰り広げていました。遠慮のない応酬に加え、冒頭やラストに見られたストップモーションの決めポーズがそれぞれスマートで、流石スターの輝きでした。
のんまみ時代の伸びやかで楽しい月組を知るファンには堪らない久世と真琴の並びが見られたのも、格別に嬉しかったです。
大千秋楽ということでスペシャルアンコールがあり、出演者全員が一言ずつご挨拶。コロナ禍の中、お稽古、東京公演、大阪公演と無事に駆け抜けてこられた感慨が溢れていました。
とても素敵なカンパニーだったのだなと感じられ、課金して良かったです。
なお、本公演のアーカイブ配信は9月15日(木)23:59まで視聴でき、配信チケットの購入は9月15日(木)21:00まで可能です。
ご興味をお持ちの方は、今からでもぜひ!
https://www.umegei.com/8femmes/special.html#live
ところで、以前から思っていたのですが、宝塚歌劇団と高校野球にはとても特徴的な共通点があります。
それは、指導者と生徒、上級生下級生の上下関係が厳しい学校制度と、実力やスター性のある者がスポットライトを浴びるスターシステムとが、同居していること。
異論のある方もおられるでしょうが、アマチュアっぽさは宝塚の魅力の一つであり、OGの皆さんの、在籍期間は重ならなくても「同じ釜の飯を食った」仲間感が漂う空気は、これからも続いてほしい伝統だなあと思います。
「学校」を「卒業」した後、プロの世界の厳しさに揉まれる中でも、時折、古巣の空気に帰ることで、新たに活力を得て更に活躍の場を広げてくれるなら、それを応援していきたいと思います。
(もっとも、私は10年余り前の例の事件をきっかけに、宝塚の観劇はご無沙汰で、今も戻る気にはなれないのですが…
なので、カーテンコールでの、久世星佳さんの「現役生が頑張ってくれているからOGにもこのような機会が与えられています。これからも宝塚歌劇を愛してください」との挨拶に、感動しつつ複雑な思いでした。)