『吉野石膏所蔵の貴重書と絵画コレクション』~本と絵画の歴史に触れる
練馬区立美術館で今月16日まで開催中の『本と絵画の800年 吉野石膏所蔵の貴重書と絵画コレクション』と題された展覧会を観てきました。
タイトルに偽りなし。12世紀以来の、本と絵画の深くて濃い関係の歴史をじっくりと辿れる展示で、なかなか見応えがありました。
特に貴重書の類はこれまで殆ど見たことがなかったので、とても興味深くてじっくり拝見。
第1章「ヨーロッパ中世・ルネサンスの美しい本の世界」の展示は、一部を除いて写真撮影可能でしたので、記念に何枚か撮ってきました。
第2章「近代における書物」では、木版画の『パンの笛:古謡集』が古風でうららかな雰囲気。何となく目を惹かれました。
書物に関わる絵の展示では、断然ゴッホの『静物、白い花瓶の花』。パリに移ったばかりの頃の、割とクラシカルな画風が好きです。印象派の兄貴分、ピサロの作品が『暖をとる農婦』など複数あったのも嬉しかったです。
『アルビオン印刷機』のパネル展示もレトロな感じが気に入って、暫し眺め入りました。
第3章は「本と絵画でみる日本の芸術」。
伊藤若冲の『萬歳』は、よく知られる鶏や植物を題材とした極彩色の絵とは異なり、シンプルな線で3人の人物を描いた墨画で、構図も筆遣いもやはり上手いんだなあと改めて思いました。
他には、渡辺省亭『春秋瀑布図』二幅の繊細な描き分け、上村松園『深雪の図』の清らかな美しさ、杉山寧『渹(こう)』の迫力ある海景描写、東山魁夷『靜映』の深遠な魅力 といったあたりが印象的でした。
「吉野石膏コレクション、侮りがたし」と思う充実した展示でした。
美術鑑賞の前後には池袋の西武で美味しいものを!
ランチにはケンジントンティールームのクラブハウスサンドイッチ。
おやつには、千疋屋名物のアメリカンショートケーキ(ストロベリー)。
というわけで、目も口も大いに楽しめた一日でした♪