「愛の鞭 ～奉仕する少女たちの試練～」

夏の日差しが照りつける中、高森莉子（16歳）は母・愛子（42歳）と共に、静かな住宅街を歩いていました。二人は真剣な表情で家々のインターホンを押し、パンフレットを手渡そうとしていました。

「莉子、しっかり笑顔で話すのよ」愛子が小声で娘に言いました。

莉子はうなずき、次の家のインターホンを押しました。応答はありません。

「次よ」愛子は冷たく言いました。

2時間が経過し、莉子の足取りが重くなっていきました。暑さと疲れで集中力が低下していきます。

「もう...疲れた...」莉子が小声でつぶやきました。

愛子は厳しい目で娘を見ました。「奉仕活動に不平を言うの？」

莉子は慌てて首を振りました。「ご、ごめんなさい...」

そのとき、近くの公園から賑やかな声が聞こえてきました。莉子の同級生たちが楽しそうに遊んでいる姿が見えました。莉子は思わずその方向を見てしまいます。

愛子はそれに気づき、莉子の腕をつかみました。「あなたの居場所はそこじゃないわ。さあ、次の家よ」

莉子は悲しそうな目で友達を見ながら、母親についていきました。心の中では、自由への憧れと信仰の間で葛藤が続いていました。

愛子と莉子が次の家に向かっていると、同じ教団の仲間である山田さくら（38歳）とその娘の美月（14歳）が近づいてきました。

さくら：「愛子さん、お疲れ様です。調子はどうですか？」

愛子：「ええ、順調よ。あなたたちは？」

さくら：「私たちもがんばっています。でも美月がちょっと...」

美月は俯いたまま立っていました。彼女の顔には疲れと不安の色が浮かんでいます。

愛子：「美月ちゃん、どうしたの？」

美月：「あの...少し休みたくて...」

さくらは厳しい目で娘を見ました。「美月、何を言っているの。奉仕活動は神様への大切な務めよ」

莉子は同情的な目で美月を見ていましたが、母親の視線を感じて急いで目をそらしました。

愛子：「そうね。若い子たちは特に熱心でなければいけないわ。莉子、美月ちゃんと一緒に次の家を回ってきなさい」

莉子：「はい...」

二人の少女は重い足取りで次の家に向かいました。後ろでは、愛子とさくらが厳しい躾けについて小声で話し合っています。

莉子と美月は、互いの苦しみを理解しながらも、それを口に出すことができませんでした。

愛子とさくらは、娘たちが家々を回る様子を見守りながら、小声で会話を始めました。

愛子：「最近、莉子の態度が少し気になるのよ。奉仕活動にも消極的で...」

さくら：「そうなの？美月も同じよ。この前なんて、集会をサボろうとしたのよ」

愛子：「まあ、大変ね。どうやって指導したの？」

さくら：「厳しく躾けたわ。20回、お尻を...」

愛子：「そう。私も先週、莉子に同じようなことをしたわ。でも、効果があるかしら」

さくら：「神の教えよ。必ず効果があるはず。でも、最近は記録を取るようにしているの」

愛子：「記録？」

さくら：「ええ、スマホで動画を撮って...」

さくら：「動画を撮ることで、娘の進歩が分かるの。それに、必要なら指導者たちに見せることもできるわ」

愛子：「なるほど。それは良いアイデアね。私も今度からそうしてみるわ」

さくら：「ええ、大切なのは愛をもって躾けること。痛みを通して、神の教えを心に刻むのよ」

愛子：「そうね。私たちは娘たちを愛しているからこそ、厳しくするのよ」

さくら：「まったくよ。この方法で、きっと娘たちは正しい道を歩めるはず」

愛子：「ありがとう、さくら。とても参考になったわ。これからも娘たちのために、しっかりと指導していきましょう」

二人は満足げに頷き合いました。彼女たちの中では、この「愛の躾け」が娘たちのためだという強い信念がありました。しかし、少し離れたところで奉仕活動を続ける莉子と美月の表情には、深い悲しみと不安が浮かんでいました。

莉子と美月は、次の家に向かう途中で小声で話し始めました。

莉子：「美月ちゃん...大丈夫？」

美月：「うん...でも、昨日またお母さんに...」

莉子：「え、また？どのくらい...？」

美月：「20回...プラスチックの定規で...」

莉子は同情的な目で美月を見ました。「私も先週...15回だった」

美月：「痛かった？」

莉子：「うん、すごく...でも、お母さんは愛してるからだって...」

美月：「私のお母さんも同じこと言うの。でも、本当にこれが愛なのかな...」

二人は不安そうに周りを見回しました。母親たちに聞かれていないか確認します。

莉子：「美月ちゃん、これ本当は...」

そのとき、愛子の声が聞こえてきました。「莉子、次の家よ！」

二人は慌てて会話を切り上げ、次の家に向かいました。心の中では、この状況への疑問と不安が渦巻いていました。

愛子と山田さくらは、娘たちの小声の会話に気づきました。

愛子：「莉子、美月ちゃん。何を話していたの？」

二人の少女は驚いて振り返りました。

さくら：「奉仕活動中に私語は許されないわ。」

愛子：「そうね。これは重大な違反よ。公園に行きましょう。」