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【乳児健診②】発達の確認ポイント4選

乳児健診とは

乳児健診とは、自閉症など、病気の早期発見、早期治療に繋げる目的で、各市町村で行なわれています。
乳児健診の対象は、生後4~5ヶ月の赤ちゃんです。

乳児健診で確認したい項目はたくさんあるので、何回かに分けて解説をしています。
前回は、「首のすわり」「ガラガラが握れるか」「目の動き」について解説しました。
🌸今回は「あやすと声を出して笑う?」「声のする方に顔を向ける?」「抱っこした時につっぱったり抱きにくい?」「動くものを目で追う?」の4つを解説します(^^♪

①あやすと声を出して笑う?【社会性】

首もしっかりして自分の意思で周囲のものを見るようになると、だんだん知恵もついてきて、あやされるとそれに反応して笑う〈社会的微笑〉が始まります。
3か月であやすと笑い顔になり、4ヶ月で声を出して笑うようになり視線もよくあうようになります。
これは人に対する信頼感を取得し、コミュニケーションが取れるようになった証拠です。
もし、あやしても笑わない場合は、
✅発達段階が遅いために周囲への関心が乏しい
✅パパママがうつ病などにより、あやしてもらう経験が乏しく、愛着形成がうまく進んでいない

以上のことが考えられます。
⇒あやしても笑わない場合には、パパママの心配の度合いや赤ちゃんとの接し方を確認しましょう。

②声のする方に顔を向ける?【聴力】

少し離れたところから呼びかけると、声のする方に顔を向けるか?
を確認します。
乳児健診の会場では、音のするおもちゃ(ガラガラ)に反応するかを試してみます。
この時に、視力の影響を取り除いた時の反応をみることが大切です。
聴力は、その後の言葉の獲得にもつながっていきます。
また、日常の中でお母さんの声に反応したり、テレビや楽器の音に興味を示したりするか、お母さんに聞いてみます。

⇒できない場合には、聴力障害の可能性、精神遅滞の可能性も考えられます。医師の診察で確認してもらいましょう。

【音に対する反応とことばの発達】
✅第1段階(0~2ヶ月)
・突然の音にビクッとする(モロー反射)
・眠っていて、突然の音に眠りを覚ますか泣き出す
✅第2段階(3~6か月)
・テレビの音の方に顔を向ける
・お母さんの声に振り向く(4か月~)
・聞き慣れない音や珍しい音に顔を向ける
✅第3段階(7ヶ月から1歳)
・外の動物の鳴き声に関心を示す(7か月~)
・「おいで」「バイバイ」などに反応する(9か月~)
・後ろから名前をささやくと振り向く(10か月~)
・音楽に合わせて体を動かす(11か月~)

③抱っこした時につっぱったり抱きにくい?【筋緊張】

生後1~3か月は身体が反り返りやすい子が多いです。
目立つ場合は、脳性まひや中枢神経系の疾患の可能性がありますが、多くは生理的範囲内です。
低出生体重児など、周産期の異常所見が関わっている場合もあるので、そこも確認します。
3か月過ぎても筋緊張が強く抱きにくい場合、親が子育ての困難感や不安感を抱いている事が多いので、その気持ちに寄り添いながら丁寧に問診を行ないましょう。
哺乳のときにだけ抱きにくさがある時は、栄養、哺乳方法などに問題がある場合が多いです。
あやしている時にも見られる場合は、筋緊張の異常を示している場合が多いです。
⇒抱きにくいと感じるときの状況を丁寧に聞きましょう。

④動くものを目で追う?【追視】

乳児健診の問診会場ではガラガラを赤ちゃんの目の前で左右、上下に動かして、ガラガラ(動くもの)を目で追うか確認します。
動くものを目で追うことを追視と言います。
追視が始まるのは1~2ヶ月頃です。
1~2か月頃は、目の前でゆっくり動くものを、顔を正面に向けた状態から左右50度程度まで追視できるようになります。
途中で視線が切れることもありますが、3ヶ月頃にはそれもなくなり、往復追視ができるようにまで発達します。

【往復追視】
仰向けで左右、上下に音が鳴るおもちゃを動かしてみたら、それを視線が途切れることなく目で追うこと。 

発達の確認ポイント4選

今回は、生後4~5か月の赤ちゃんを対象にした乳児健診での発達の確認ポイントを4つ紹介しました。

✅あやすと声を出して笑う?
✅声のする方に顔を向ける?
✅抱っこした時につっぱったり抱きにくい?
✅動くものを目で追う?

について解説しました。

ちなみに…
乳児健診では、ひとつの項目だけで特定の疾患や発達の問題を診断することは難しいです。
発達が平均より遅かった項目の組み合わせによって、お子さんが持つ問題を推測することになります。
生後4ヶ月の時点では、まだ問題が現れていない場合も多いため、発達が平均よりも遅れている項目の、普段の状況を丁寧に聞き取ります。
発達は個人差が大きいため、必要以上にパパママを不安にさせないように、健診会場ではあくまで信頼関係を築くことに重きを置いて接することができるといいのかなと思います。
すぐに必要な支援に繋がることが理想ですが、パパママの考えもしっかり尊重して押し付けにならないように、コミュニケーションをしっかり取って行きましょう。

傾聴力身につけたら人生変わった 保健師なべこです!
【乳児健診②】発達の確認ポイント4選をお送りしました(^^)
わたしは、かつて子育て経験ゼロで知識も傾聴力も持たないポンコツ保健師でした。今ではカウンセラーの技術も活かして出会ったお母さんを元気にしています。
今までの経験で身に付けた傾聴力や、保健師として学んだことを、
✅これから保健師になりたいという方
✅保健師をしているけど、母子保健が苦手な方
✅学ぶ意欲の高い、子育て中のパパママ、妊婦さん
のお役に立てるような形で紹介しています。


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