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サウナ入浴法:循環器疾患患者向けのガイド

こんばんは、コツコツです。
サウナに関する記事を書いたきっかけは循環器疾患の患者さんに
「サウナに入っても大丈夫?」と聞かれたからです。
前回は一般的な入り方についての説明をしましたが、
今回は、病気になった場合、特に循環器疾患にかかった際の
サウナの入り方についてまとめてみたいと思います。
いつもはA4 1枚程度の文字数にし、専門用語を避けていましたが、
この限りではありません。


治療としてサウナに入る際の適応と禁忌

【適応】
軽症〜重症心不全 ,通常の治療に抵抗性の
難治性重症心不全患者 (StageD ) ,
特発性拡張型心筋症や虚血性心筋症など拡大を伴う収縮不全で,
特に肺うっ血や静脈うっ血のみられる心不全.
右心不全症状が強く,利尿薬に抵抗性のある難治性浮腫.
【禁忌】
発熱や活動性の細菌感染症の合併.
閉塞型肥大型心筋症や重症大動脈弁狭窄症は不適.
和温療法は血管新生作用を有するので,
未治療の増殖性糖尿病性網膜症の合併例には注意が必要.

鄭忠和:和温療法、日本循環器学会専門医誌 第22巻第 1号 2014年3月

鄭忠和先生が提案するサウナの入り方

一般的にはサウナに入って温まった後、
水風呂に入ることがスタンダードですが、
鄭忠和先生は実験に基づいた入り方を推奨しているようです。
鄭忠和先生はサウナでの治療を「和温療法」と名付けました。

乾式サウナ浴の温度および時間を種々検討した結果、
サウナ室の天井と床で20〜25℃の温度差があるため、
ベッドの高さの温度を60℃に設定した遠赤外線乾式サウナ室で、
背臥位にて15分間のサウナ浴が適切であることを見出した。
一般に用いられている乾式サウナ室の温度(80〜100℃)に比べると60℃は低温で、この温度でのサウナ浴で顔面・皮膚への刺激的な熱感はなく、
心地よく温まることができる。
この時、深部体温は約1.0℃(0.8℃〜1.2℃)上昇する。
サウナ出浴後に30分間毛布に包み安静保温することで、
心地よく温熱効果を持続できる。
最後に発汗に見合う水分を補給することで、
心不全に対する和温療法は終了する。

鄭忠和:和温療法、日本循環器学会専門医誌 第22巻第 1号 2014年3月

入り方を端的にまとめると

  1. 温度を60℃に設定した遠赤外線乾式サウナ室

  2. 仰向けで15分間が適切。

  3. サウナ出浴後に30分間毛布に包まり安静保温

  4. 発汗に見合う水分を補給.

    こんな感じだと思います。
    楽しむためのサウナというより、治療です。
    健常者であってもいい効果が期待できそうです。
    ただ、水風呂はないようです。

ここから先は結構マニアックな内容になってきます。
サウナの循環器に対する効果(専門用語の解説はありません)と
サウナ浴後の水風呂が身体に与える影響についてです。

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