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「二十五、二十一」のトンネルから抜け出せない話(なぜこんなにも‟エモい”のか②)

 あなたがフィクションに求めるものは何だろうか。    うっとりするような夢物語もあれば、何気ない日常を切り取った物語もある。お腹を抱えて笑える物語もあれば、自分には起こり得ないであろう恐怖や悲劇を疑似体験できるような物語もある。  私はというと、フィクションを摂取することによって「良質な没入体験を得たい」という大前提の思いは変わらないものの、年齢とともに求めるテイストは変化してきたように思う。  「サブカル」とか「アングラ」とかいう言葉がなぜか異様にかっこよく感じた10

    • 「二十五、二十一」のトンネルから抜け出せない話(なぜこんなにも‟エモい”のか①)

       唐突な自分語りになるが、私の韓国ドラマにおける最推し作は『二十五、二十一』(2022年)だ。  エンタメという視点では『彼女はキレイだった』や『ユミの細胞たち』、『怪物』や『秘密の森』なども捨てがたいが、最終回視聴後1週間も余韻が続き、1つ1つのシーンを思い出すたび、また、OSTのメロディを聞くたび、パブロフの犬のように無条件に涙があふれてくるという体験をしたのは、日本ドラマにおける個人的最推し作『Nのために』(2014年)以来である。  見終わった直後の私なら、たぶん

    「二十五、二十一」のトンネルから抜け出せない話(なぜこんなにも‟エモい”のか②)

    • 「二十五、二十一」のトンネルから抜け出せない話(なぜこんなにも‟エモい”のか①)