『本質』シリーズ3『社会に働きかける』と『経済』
社会に働きかけるアプローチって何か?
前回は、介護福祉士の本質、社会福祉士の本質についての考察を書きました。
俺っちが重要視しているのは、マクロ視点。
「社会に働きかける」ということで、それは政治にアプローチすることに他ならないということです。
だって、政治がこの国のルールを決めているんだからってことです。
でも、日本は民主主義の国のはずで、主権者は私達国民。
私達は政治家ではないですが、市民が抱える問題を代弁するのが仕事ですよね。
では、具体的にどういう面からアプローチすればいいんでしょう?
最初に書いておくと、『起業』という話ではありません。
まずは『経済』を学ぶことだと思います。
『経済』は、べつに『経済学』を学ばなくても良いんです。
『誰かの消費は、誰かの所得』
まずはこれだけです。
会社や法人を運営するのに、お金って必ず必要ですよね。
運営するお金は、どこから入ってくるんでしょう?
主に介護報酬と、利用者さんの実費負担ですよね。
つまり、国と自治体からのお金と、市民の消費です。
それが会社や法人の収入となり、そこで働く人達の所得となる。
そして、働く人達は、自分の地域や、旅先などで消費する。
その消費したお金は、企業や個人の収入になります。
これが『経済』なんですね。
『経済』はお金儲けの話ではなく、私達の暮らしそのものなんです。
じゃあ、私たちの仕事は、経済にどう影響するんでしょうか?
リーマンショック時のアイスランド🇮🇸を例にとるとわかりやすいです。
アイスランドは金融立国でしたが、リーマンショックで破綻寸前になりました。
しかし、アイスランドは経済不況になっても、社会保障政策を変えないどころか、更に充実させ、予算額を上げました。
結果、産業構造も変わり、経済は回復していきました。
詳しくは『経済政策で人は死ぬか』という本をお読みください。
つまり、私たちの仕事は、人の命や健康に関わる仕事で、それは経済の基盤になる仕事ということです。
とある方がビジネスケアラーの話を書いていたのを目にしましたが、それだけではありません。
私たちの仕事が一つの大きな産業だということなんです。
また、アイスランドは、『公衆衛生』は国の役割だと知っていたんですね。
私たちは社会保険料などを払いつつ、必ず実費負担を求められます。今、福祉業界は制度外の取り組みを「チャレンジ」としてすごく良いこととして取り上げていますね。
でも制度外なら、10割実費負担です。
しかしどうです?
『経済』って回ってますか?
人々の暮らしはどうなっていますか?
2019年まで25年間で、所得の中央値131万円下がってますよね。
50%以上の世帯が『生活が苦しい』んですよね。
明らかに『経済』が回っていない。みんな生活が苦しい。
ここで考えを戻して欲しいんです。
市民に広く負担していただくなら、私達が使えるお金が増えた方がいいですよね。
「その人の生活を見る」
ならば、『経済』という視点は重要だと思います。
ここで重要なのは「お金」です。
市民が広く負担するお金。
国や自治体が出すお金。
それって、どこから来るんでしょう?
税金ですか?
次回はそこにアプローチします。
いわゆる『財源』です。