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贄なる宴は血の味(2016年11月5日アメーバブログ転載)


よいか!
根絶やしにせねばならん !!!
彼は『死んだ』からこそ神の子としての価値ある存在なのだぞ… だのに女を司祭に配するどころか、そ奴との間に子まで作るとは!
そんな事は神の計画に含まれてない !!!
心して聞くがよい。
世界を創造なされた全能の神は男だ!
決して男の受け皿でしかない女である筈は無い。


そうではないか !!!
イヴはアダムの肋骨から産まれたのだ!
絶やすのだ…
我らの教義を揺るがす女の行方を一つ残らず潰していくのだ。
ただし『楽しむ』のは罪ではない。
仕事とは楽しいほど、やり甲斐があるからな…
我らの宇宙は男が支配してこそ完全なる調和がもたらされ、地の果てまでも神の御加護は為される。

さぁ印を探すが良い!
奴らは体の何処に賎しい本性を隠しておるか判ったモノではない故、ゆめゆめ気を抜くでは無いぞ!
幾ら時間を掛けようが、どんな手段を使おうが、相手が何処の誰であろうが、大きな問題ではない。
今はな…





奴らは我ら男の魂を引き摺り廻し、楽園への道をその穢れた体を以てして閉ざすイヴの末裔にして禁断の果実を貪るサタンの妾なり !!!
容赦は要らぬ!
替わりは幾らでも居るのだから…


何を愚図愚図しておる?
一体、どう考えたらマリアが聖なるイエスと同格だと狂った答えを導き出せるというのだ !?
神の御業の何処に女の神秘性を見い出せると歴代の教皇達が一言でも触れた事があろうか?
間違えてはならぬ。
女は男に仕えるモノであって、共に何事かを為すような存在などでは無い。
イエスもマリアには困っておられたのだ。
だからこそ自ら死地へと赴き、魂の解放に務められたのだろう… マリアこそ磔に相応しいわ !!!
出来るなら
この手で楔を穿ちたかったぐらいだ!



女は下水溝の上に建てられた聖堂だ。
【哲学の慰め】

男の肋骨から創られた女は不完全な動物である。それに比べ、男はキリストが御産まれになった誉れ高い性に属している。
【魔女たちへの鉄槌】

彼女らは拷問を受けなければ白状したがらない。

【イングランド王ジェームズ1世】

どの女も自分が "女" だという事を大いに恥じるべきだ。
【聖クレメンス】





女達を迫害し、殺し続けた情熱は何処から来たのだろうか?

地上から全ての女を消すつもりだったのかな? いや… そんな事は幾ら何でも考えられない!
🤔
理由が何であれ『男だけ』になれば結局は新たな信者は産まれ出ず、人間世界が尻すぼみするのは流石に理解していただろう。
しかし未曾有の女殺しは敢行され続けた!魔女と決め付けられた上で殺害された普通の女達(場合によっては男も)の数は推定で5~数10万人と謂われているが、どう考えてもそんな数に収まる筈がない。
教会が直接携わったのが凡そ300年(1400年半ば頃~)ぐらいなのと年々増え続けていた当時の欧州人口とを擦り合わせれば、出て来た数字を "何処かの誰か" が少なく見積った可能性は否定できない。
というよりも
お得意の隠蔽、捏造の類いだろう。

落ちた林檎を見て引力を発見しようが、魔女狩りは止まなかったのだ !!!














肥大してゆくキリスト教の権威に疲弊してゆく民衆。
各国の王族ですら、その権威に平伏す有り様だったが "何も持てない" 民衆は不満を爆発させる寸前だった。
一度は十字軍遠征が功を奏し、所謂《バブル景気》の様な高揚感を欧州にもたらした(大半の民衆は恩恵に与っていない… 日本のバブル景気と同じだ)が、教会は宗教改革による《悪魔認定=悪魔は実在する!》という冗談のような方針転換を次世代へと持ち越した。

魔女狩りは悲劇や事故などでは無く、起こるべくして起こった精神分裂な集団が引き起こした人類最大の連続的な大虐殺だ !!!


しかも
その行為の奥底には更に1000年以上前から続くマリア(マグダラ=母ではないな方のマリア)への深い憎悪が垣間見える!

これほど歪な精神の持ち主達が他に居ただろうか??
事もあろうに教義の主たるイエスの(恐らくは)最も厚い信頼を得た、高い確率でと思われる女性に唾を吐きかけ、尊厳を落とすどころか存在すら消し去ろうとした事を!
キリスト教の歴史を粒さに見れば、女の存在を事あるごとに辱しめ、ゴミのように扱ってきた悪行の繰り返しである事は明らかだ。
12人の不詳の弟子達は遂に師匠たるイエスの境地へと昇り詰める事は叶わず、徒に悪行集団の基礎を創り上げたが、後年更に憎悪は無理矢理に封じ込めた欲望の捌け口などと連鎖して、もはや修復や引き返しの効かない《暴力の楽園》にまで一気に突っ走る事となる。


自分達に靡かない民衆が民間療法や異教の神々に心を許している事に嫉妬し、何もかも『(神に敵対する)悪魔やその使いが悪い』と、碌な調査や研究などしない(やったところで隠蔽や捏造で… だな!)ままに事実をねじ曲げる。

悪魔など存在しないと謂いながら、その一方で都合が悪くなると異教の神々を悪魔へと仕立て上げる精神が責め立てる、正にその矛先の最大公約数は同じ人間の女達!
😩
自分達の母、姉妹、妻、娘は一体何だと言うのだ !?












魔女狩りの初期は集落の外れに住む単身の老婆が魔女とされる例が多かったが、以降 "ホウキに跨がり夜の闇を飛ぶ" イメージは現代にまで引き継がれる事となる。
中期には『良家の女』達が狙い打ちされた印象が深まるが、もうこの辺りになると身ぐるみ剥いで全財産を奪ったり被害者そのものを蹂躙して楽しむだけな魂胆しか窺えない… 裁判という茶番の上だから被害者達の恐怖は大きかっただろう!
そして、後期はある意味で一番恐ろしくて人間らしいと謂える。

教会の情熱が醒めていく(恐らくは潤い過ぎて胡座をかいていたんだろう)のに反比例して、なんと民間人が勝手に魔女裁判を執行し、同じ立場な筈の人間=女達を次々と血祭りに上げていったからだ !!!

抑圧され過ぎた為か、それとも遺伝子のバグなのか?
残虐さが剥き出しになり、歯止めが全く効かなくなった暴徒達も普通の人間… これがある日 突然起きるのだ !!!
キリスト教(カソリックもプロテスタントも "他者" を残虐に扱うという点で大した差異は見受けられない)が蒔いた憎悪の種は何処にも帰結点を見付けられない最悪の怨念を人間世界にブチ蒔けただけではなく、身近な存在にすら信じられない鉄檻のような牢獄を魂に植え付ける事に成功した… それは現代でも形を変えて屹立し続けている!


漫画【デビルマン】で魔女認定され惨殺されたヒロインは大袈裟でも何でもないし、ひょっとすると我々が知らないだけで、もっと酷い目に貶められた憐れな存在が居たのかも知れない。
映画【スポットライト】で指摘された内容など何を今更な !? ですらある体たらくだ!





















お前の孕みの苦しみを大きなものにする。お前は苦しんで子を産む。お前は男を求め、男はお前を支配する。

創世記 3-16



禁断の果実を(サタンに唆されたとはいえ)食しただけでなく、イヴがアダムにも薦めたからといって罰を与える全能の神ヤハウェ

😠
その宣言に宇宙の創造者たる威厳を汲み取るか、或いは男の幼児性の顕れと取るか?

答えは神のみぞ知るのか?
人間=ヒトの知恵は?

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