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御名の崇められんことを(2015年7月30日、2016年11月5日アメーバブログ転載)


おぉ! 何故です !?
我らの働きは《聖なる時蹟》ではなかったのですか !!!
渇いた土地に激しく雨が打つように我らの心は混乱の極みにあり、幾つもの邪な風が予定されていた快適な旅を不毛な時間の経過へと変えさせてしまいました。
慈悲は何処へ?
絶えざる血の流れは何を以て贖われると謂うのでしょうか !?



御覧下さい!
この血塗れとなった手は異教徒達を屠った聖なる証しに他なりません。
我らは反逆者などでは無い !!!
何故、名誉を勝ち獲った英雄を悪魔のように扱われるのか !?
我らの魂は神の子たるイエスの御手にあるのです… それとも知らぬ間にサタンの手に落ちたと謂われるのか?
我らは死にもの狂いで《神の栄光》を体現したではありませんか !?
どうか御加護を…
この栄光のヴェールを纏ったまま、どうか我らを貴方の膝元にまで、その御心の叶われん事を…



あの者らは危険じゃ!
どうやら異教徒共の血に酔うて権威の在り方をはき違えておるわ。
おぉ神よ…
我らは又しても忌むべき行為を犯し続けなければならぬようです。
あの者らを見よ!
己が所業の行く末にエデンの馨りを取りこもうとしている浅ましい姿を!
摘まねばならぬ…
神の治世に英雄など必要ない事をあまねく天地の彼方にまで教え広めぬ限り、あのような考えを持った者共が現れぬ、などと断言できようぞ !?
神の権威を伝え護る者は我らだけでよいわ!
意見する駒など要らぬ。
異教徒のみならず… 神の権威を横取りしようとする不埒な連中にも地獄の炎が如何なる味かを知らしめてやらねばなるまいて。

おぉ神よ
我が情熱の源泉にして尽きる事の無い父たる愛の存在よ。
大いなる慈悲を我らに賜らん事を…
願わくば、救われぬ魂の持ち主達に速やかにして安らかなる死をもたらしたまえ。


















強大な軍事力により1000年間統治され、人口は数10万規模を誇る数多くの他国人が往き来し絢爛たる繁栄を謳歌した国が在った。
国家群が点在していた中心に殊更に大きく構成されており、華麗を極めたその名はコンスタンティノープル

『剣を抜かず、敵を殺さぬ者に呪いあれ』
『打ち砕かれ、押し倒され、根絶されるべきものを打ち砕き、押し倒し、根絶せよ! - グレゴリウス教皇』

コンスタンティノープルはキリスト教ローマ教会によって阿鼻叫喚の地獄絵図を地上世界に齎らされた。
『私が王になるのを望まなかった、あの敵共をここに引き出して私の目の前で打ち殺せ ルカ伝 19-27』
タルムード(ユダヤの法律と解説)や哲学書など1万2千巻は "価値なきモノ" として、その地の人間ともども灰塵へと帰したのだ。


しかし
現金や美術品、宝石、女達は "価値あるモノ" として丁重、かつ念入りに扱われたらしい。

逆らえば天罰あるのみ…
ここからキリスト教ローマ教会(カソリック)とイスラム教徒や東方欧州との別ち難き憎しみの結び付きが始まったのだ!

『肩に十字架の紋章を付けた男達に較べたらサラセン人(イスラム教徒)でさえ、親切で情け深く感じる - ニケタス・コニアテス』

1000年続いた教会の支配に民衆の不満はどう誤魔化しようも無いほど膨れ上がり続けたが、炸裂弾と化す前に時の教皇ウルバヌスは『異教徒から聖地を奪還せよ!』と大号令を掛け見事に躱した。
持ち帰られた金銀財宝や奴隷、自分達に都合の良い書物など… 本来の目的だった筈の《聖地奪還》は一つも為されず、残ったのは壊滅した都市と浮浪する難民や駐留軍による、ある意味で戦闘時より始末の悪い状況だけだったと謂える。
幾度となく繰り返された遠征という名の蹂躙と略奪… その成果を本国に齎した十字軍でさえ、やがては地上から消え失せる事となるのは本当に "御心" なのか?
自業自得とはいえ、多くの敵を作った十字軍を護衛する為に結成されたテンプル騎士団も "余計な知識など" を手にした為に教会によって悪名を着せられたまま粛清されたと専らの噂だ。
理由は様々に取り沙汰されているが、身内に殺された事実に変わりは無い。


そして
結果として東ローマ帝国を滅亡(一時的に部分復活するが、後に完全消滅する)させてしまったが為に十字軍の目的とは逆にキリスト教の勢力を大きく削ってしまう大失態を招いてしまい、それが後年のオスマン帝国による東欧州の支配へと繋がるのだから、これはもう歴史の皮肉としか謂いようがない…

















世界を支配したキリスト教は教祖の想いから遥か遠く離れた異常な精神の集団と化した。
その異常さが他の集団を蹂躙する時に自分たちの "異常な種" を蒔く… 愛する師匠を見捨てた男が異常な死に方を望み、現実世界に対応できない男の妄想が教典に組み込まれたり、秘かにローマへ還った当初から陰口や告げ口で他宗教の評判を落とす事に血道を上げ続けた結果が宗教戦争なのだから、平和を乱しこそすれ本当の意味で誰の魂をも救う資格が無いのは明らかだ。

それなのに…
刻印を受ける14万4千人の一員に加わりたいのか?

『それはうっとりする様な光景だった。
大勢のサラセン人(イスラム教徒)が首を刎ねられた… 矢で射貫かれた者、塔から突き落とされた者、火炙りにされた者、通りには切断された頭や手足が積み重なっており、町を歩るけば何処もかしこも死体ばかりで、この地が異教徒の血で覆われる事は正義とも言うべき素晴らしい天罰なのである。』
1099年 教皇グレゴリウス - 十字軍がエルサレムでイスラム教徒やユダヤ人を虐殺した時の感想



『宗教裁判と刑の執行の一番の目的は被告人の魂を救う事では無い』
1578年 異端審問官フランシスコ・ペナ



『人々は哀れにも厳しい拷問を受け、身に覚えの無い事を無理にでも告白させられ、そして処刑される。』
『それは人間の血から金や銀を産み出す、全く新しい連金術なのだ。』
1592年 コルネリウス・ロース神父



『女が疲れはて、命さえ失ったとしても大した事では無い。』
『出産で死ぬというなら死なせるがよい… それが女達の存在価値なのだから。』
『女児は男児よりも早い時期に話したり立ったりするが、それは実のある作物より雑草の方が決まって成長が速いからだ。』
マルティン・ルター 1483~1546年


『神の御力を借りて忌まわしき異端者の手から人々を救ってくださった事に感謝いたします』
1572年 教皇グレゴリウス13世から1万人のプロテスタントを虐殺したフランス国王シャルル9世に宛てた手紙より



『異教徒のインディアン(ネイティブ・アメリカン)全てを聖なる信仰に改宗させる。』
『激しく鞭打ち血が滴り、原住民の女の小さき体は私に快楽を齎した。』
アメリカ大陸を発見したクリストファー・コロンブス 1451~1506年



『審問官は女の服を剥ぎ取って裸にし、体の見えない部分に悪魔の刻印が付いていないかを調べる為に体毛を全て剃り落としました。』
『いぼ、そばかす、痣はサタンと情交した証拠と見なされた。』
とある魔女裁判の記録より






運送や株式などの現代にまで続く社会システムを構築させた事で彼らを評価する人物や団体が居るが、そんなものは詭弁にすぎない。
2000年も己が栄光のみを追及したのみならず、他者に毒を仕込んでまで正当性を自負するなどと狂気の沙汰を繰り返してきた教団の鉾先は《聖地》だけに留まらず、海や山を越えて拡がり続けたが、その性質は『神の名を利用』して殺し、奪うだけだった。
アフリカや南北アメリカ、アジア全域に "灼熱の殺意" でもって暴れる様はハイエナですら恐れるほど!
その尽きる事のない支配と暴力の欲望の為にナザレの男は磔刑へと自ら望んで行ったとでも言いたいのか !?

今、漸く理解した…
砂漠に人が住んでいるのではなく、人が砂漠へと変えてしまったのだと !!!

信じる者を本当に救うというのなら、その舌と指を切り落とさねばならないのかも知れない。


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