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霊感があるという事 私の体験
私がはっきりとそれを自覚したのは、
小学校1年生の時だった。
当時は団地に暮らしており、団地の1階の建物の下の部分が砂地になっており、私はかくれんぼする時などはよくその場所に隠れたりしていた。
学校帰りだったと思う。
そこに同じ制服を着た女の子が座り込んでいた事があった。
1年生になったばかりだったので、同級生かどうかも分からなかったが、同じ位の歳の子だった。
何か落ち込んでいる感じがしたので、私は話し掛けてみた。
どしたん?と聞いたが何も言わなかったので、
一緒に遊ぶ?と聞いたらうん、と言った。
その子と公園でひとしきり遊んで、暗くなってきたので、その日は公園で手を振って別れた。
次の日。朝学校に行く途中
近所の集会所でお葬式が行われていた。
6年生の近所のお姉さんと一緒に登校していたが、
2年生の子が交通事故で亡くなったんだって。
と聞いた。
まさか、と思った。
それまでも何となく死んだ人が見えてるのかな?
と思ってはいた。でも認めたくなかった。
私は集会所に走った。中を覗くと、やっぱり。
昨日一緒に遊んだ子だった。
当時はとにかく霊界が暗く、重たかった。
特に私の住んでいた広島は原爆で沢山の人が亡くなっている。
市内の方なんかに行くと、必ず吐き気をもよおし、気分が悪くなった。
言うなれば当時の私にとって、霊感があるのは
ただただ恐怖でしかなかった。
実際怖い思いもした。
今回公園で遊んだ子のようにおとなしくしている事は殆どなく、時には危害を加えられる事もあった。
死んだ人が見えるしわかる。
はっきりと自覚してからは、更に霊的な現象が強くなった。
毎晩おこる金縛り。
はっきりと私の上に乗るお婆さん。
ある時は手足を押さえつけるおじいさん。
もはや人の姿をしていないものも多くいた。
お前を許さない!と叫ばれたり、最初は親切だったお婆さんが突然豹変したり。
学校の体育館では首だけの武士が沢山いたり、
遠足に行けば、山の中で女の人が首を吊っていたりした。
追いかけられるのも日常茶飯事だった。
頭がおかしくなりそうだった。
夜は眠れないので、学校に行く事もままならず、
私は学校を休みがちだった。
日が明るい昼間なら少しは眠れた。
夢なのか現実なのか、どうしたら良いかも分からず、誰にも相談出来なかった。
団地から引っ越して、新築の家に移ってもそれは変わらなかった。
小学校4年生のある日、あまりに学校を休むので、
とうとう母が私に問いただしてきた。
あんた夜眠れてないん?
夜あんたの部屋からいつもガタガタ、ミシミシ音がするんよ。
何かあったんなら言いんさい。
そう言われた。
ラップ現象と言うらしいが、私の部屋は常に音が鳴り、パン!と弾ける音や、ミシミシといつもきしんでいる様な音がしていた。
たまに部屋に列車が通ったりした時はガタガタと揺れた。(もちろん本物の列車ではありません)
私は母に言ってもいいのか迷った。
気のせいよ、と言われてしまったらどうしたらいいんだろう。
でももう限界だった私は、とうとう母に、
死んだ人が見える事、私に起こった事を話したのだ。
母は、一言、そうだったん。と言った。
そして、母さんも見えるから大丈夫よ。
と言ったのだ。
え、母さんもみえてるの?
私はその瞬間大泣きしてしまったのを覚えている。
それから母さんはゆっくり説明してくれた。
母さんは私ほどではないが、霊感があるという事。
そして、これが私にとって大きな解決になったのだが、
死んだ人より、生きている人の方が強い。
という事。
そして、霊達は、あなたに何とかして欲しいと思って現れる。
だけど、私達では何も解決してあげれない。
話しを聞いても駄目。
次に何かあなたに来たら、
私はあなたを助ける事は出来ない。
解決出来るのは神様だけだから、天に聞いてくれ。
そう言うんよ。
死んだ人より、生きている人の方が強い!
それを強く心に念じるんよ。
そう教えてくれたのだ。
それを聞いて私は、やっと絶望から少し希望が持てたのだ。
もし、お子さんや知り合いの子供にそのような事があれば、私の母が言った同じ事を伝えてあげて下さい。
生きている人の方が強い。
何もしてあげられない。
その通りなんです。
そして、そのような世界がある事を否定しないであげて欲しいです。
夢で見た事だったとしても、どうか否定しないであげて下さい。
その後も私は色々と試行錯誤しながら霊感と付き合ってきたのだが、
それはまた別の話しに。