夏目漱石「行人」 芳江は一郎と直の子ではない?(概要)
1、概要
・大阪旅行になぜか芳江がついてきていない
・和歌山の夜で直も二郎も芳江の存在に全く一言もふれずに自殺の話
・前後するが、一郎が直の節操を試せと二郎に求める場面でもふれられていない
・二郎の母(祖母)も誰も、旅行中、芳江の存在を気に留めていない(お兼と直の会話のみ)
・「帰ってから」でようやく名「芳江」が明かされる
・芳江が急に登場して、やたらと「嫂(あによめ)の血を~」と描写される
・(物語全般)長男の一郎に、男の子がいないことを作中で、誰一人ふれない・男の子の出産を求めない。そろそろ弟か妹を~との話も出ない
・二郎が芳江を「一人っ子」→ 断定している?
・一郎とHさんとの旅行でも一切ふれられていない
(追記 R6.3.31)
・他の女性登場人物と比して名が明らかに特徴的
(他は、兼・直・貞・重・綱、な中で、「芳江」)
命名者は誰?
・嫁に来た直が、堂々と家族の前で夫の一郎や小姑のお重を挑発、一郎との不仲も隠さない。二郎には誘惑まがいをする等異様に強気。自分は決して離婚されない確信がある? また両親も一郎夫婦の不仲や一郎の精神状態、直とお重との関係に気を病みながら、離婚については一言もふれようとしない。
・「行人」という小説は語り手・二郎の内面独白ではなく、二郎の作成した文章を誰かが読む前提で描写されている。不都合は書かない?
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