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静かな火事

胃の中の青いガスが粘膜を溶かしている。 スローモーションで怒鳴り散らす。 ニコニコでピキピキ。笑顔なのか殺す顔なのか 自分でも見分けられない。 最初は袖に火の粉が飛…

さゆ
1年前

赫サタナ

深夜0時。 街灯の暗がりの向こうで何かが崩れる音がした。その音は一瞬にして暗闇中に溶け込み、遠くからバイクのエンジン音が聞こえた。 俺は布団の中で丸くなり、眠りに…

さゆ
1年前

静かな火事

胃の中の青いガスが粘膜を溶かしている。
スローモーションで怒鳴り散らす。
ニコニコでピキピキ。笑顔なのか殺す顔なのか
自分でも見分けられない。
最初は袖に火の粉が飛んだだけだった。
今では家の中の全てが燃えている。
天井まで背伸びした炎が楽しそうに踊ってる。
ソファが真っ黒い煙を噴き出している。
それ、もっと燃えろ。俺も楽しい。
もう夜なので洗濯物をおろさなきゃ。
慌ててベランダへ出てみたがもう朝

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赫サタナ

赫サタナ

深夜0時。
街灯の暗がりの向こうで何かが崩れる音がした。その音は一瞬にして暗闇中に溶け込み、遠くからバイクのエンジン音が聞こえた。
俺は布団の中で丸くなり、眠りにつくところだった。半分夢に浸かっていて、体からはあたたかい蒸気がゆっくりと吹き出していた。しかし、鋭い物音で膨張した眠気は破裂した。
 その日は一睡もできなかった。
車窓を叩きつけてすれ違う新幹線の機械的で暴力的なスピードで時間は過ぎてい

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