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日本を原(たず)ねて 心の健康 ストレス解消 【珠光】

18 珠光(1423~1502)
日本を創った人々 一休宗純 3 数寄茶の世界 平凡社
 珠光が、一休(1394~1482)から印可をうけたとき、こんな話がある。
 ある日のこと、一休は、「喫茶の要は如何」と珠光に問う、珠光は「それは栄西禅師(1141~1215)の喫茶清心法」であると答える。
 一休はさらに問うた。「では趙州(778~897)の喫茶は如何」と珠光は答えられない。
一休は無言で茶を点て、珠光の前に出す、珠光がこれを飲もうとして茶碗を口に運んだ、
その刹那、一喝とともに一休の鉄如意が走り、茶碗をたたきわった。珠光は泰然自若、
しばらくして一礼して師の前を去る。これを追った一休が「茶を喫して去る時如何」
と、たたみかける。珠光は答えた。「柳は緑、花は紅の真面目」と珠光の了悟の一瞬である。
 茶の湯には茶礼のようなむつかしい規矩はいらない。あるがままに茶を点てて飲むこと、茶の湯とはそれでよいのだ、とでもいう悟りであろうか。この一休と珠光の話はもちろん、
後世になって書き残された話である。このような問答が実際にあったかどうかはともかくとして、珠光が一休に参禅していたことは確実である。                  
                         133ページ

 珠光はあるがままをあらわし、日本古来からの生活感情をあらわしている。


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