「てならいのうた」2日目
「無名者の危惧」
人間はもう変わらなくて
およそ二千年前の枠組みの中
バカゲーのキャラクターのように
トコトコと飛ばずに歩き回る
表通りを行く者もいれば
裏通りから袋小路に入り込み
そこで朽ち果てる者もいる
どこをどう歩いても
そこはすでに
人の足で踏み固められている
そこを行きたくなければ
茨や藪をかき分けて
越えて行かなければならない
切り開いたその先も
細部を除いて
ほぼはじまりの太古の思念が
痕跡を残している
もう人間についての曖昧な考察は
その大部は考察し尽くされている
末端の毛細血管を行く現代人は
木を見て森を見ない
枝葉を見て幹や根を見ない
太古には全体が見えて細部が見えない
現代は細部を見るが総合を見ない
全体や総合が分かり
同時に細部も見るというのが
これからの人たちの
目標とするところになる
その金字塔は誰かが打ち立てなければならない
そうでなければ文明知や科学知といった
ロボット化した頭脳の人間が
幅を利かせた世の中になる
閉塞した心を
誇るようになってしまう
現代に生きるほぼほぼの無名者たちは
きっとそれを危惧している
※ 70すぎて毎日、詩の練習を始め、ホームページで展開して来ました。ほぼほぼ詩とは呼べない拙いものにすぎませんが、1年前のものからこちらにも、一日一篇の割合で、転載させてもらおうと思っています。現在進行形の作や、過去の作は下記のホームページのアドレスから見ることが出来ます。
http://kiminori.html.xdomain.jp/