何かを求めて
お酒の匂いを纏った私は、ドアを閉め、ブーツを脱ぎ捨てすぐ布団にダイブする。
天井を仰ぐと、
壁にはガンズとサザンのポスター。周りには朝そのままにした化粧品や洗濯物。
微かに香ってくる昨日焚いたお香の匂いとタバコの匂い。耳にイヤホンをさす。
深呼吸して改めて私は自分の世界に戻ってきたことを知るーーー。
そんな生活が遠くなってしまってから、2ヶ月が経とうとしている。
日々新しい仕事を覚えることで精一杯の毎日。
あまりにもゆっくりと流れる実家での時間は、
2か月前までの生活が夢物語のことのように感じられる。
聴かなくなった曲も増えた。
それを埋める何かをまだ見つけられていない。
最近の私は、決まって職場からの帰り道は
車の窓を開けて音楽を聴きながら遠回りする。
悲しい気持ちでもないし楽しい気持ちでもない。
今まで溜め込んでいたプレイリストはすっかり使い物にならなくなった。
どこか寂しい。どうしてだろう。
これまでは音楽が全て包んでくれたのに。
日々たくさんの選択をしていくうちに、気づいたら自分も変わっているということに気づき始める。
理由もなく、今日は車を走らせたい。
まっさらな今。この日常に、
また新しい日常を彩る出会いがあると信じてます。
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